検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:10,265 hit

55話 心配 ページ17

正樹「ほーたぁるちゃんっ」

ポンと肩に手を置き、相手の名前を呼んだ声。
今にも音符が付きそうなその声は最上級生に昇級したばかりの金谷正樹。
そしてその傍らで蛍と呼ばれた生徒は肩が飛び跳ねるほど正樹の行動に驚いた様子である。

蛍「え…っと…か、ねや先輩…でしたっけ…?」
正樹「お!あったり〜っ!覚えていてくれたなんて嬉し〜なぁ」
蛍「…私の名前も覚えていてくれたんですね…?」
正樹「もちろんだよ〜 忽那蛍ちゃんでしょ?可愛い後輩ちゃんの名前を忘れるわけないじゃん」

あれだけ放課後弓道場を覗いていた生徒の名前を忘れる方も忘れる方だと正樹は思ったが、流石に声には出さなかった。

正樹(まぁ俺自身、名前を聞いた女子の名前は忘れないってのもあるけど)

蛍「…で、あの…何かご用でしょうか…?」

正樹が蛍自身と関わりがあったのはあの日(前話)だけである。
あの後無事弓道部に所属した蛍だったが、1年生の蛍はまだゴム弓での練習。
正樹とは部活でもあまり関わる事がなかった。
それなのにいきなり向こうから声をかけてきた正樹に蛍は訝しげな眼差しを向ける。

正樹「あぁ、そーだった。…ん。これ渡そうと思ってさ」

正樹が鞄から取り出したのは1枚の用紙。

蛍「え、これ…」
正樹「これから1年間の予定表。蛍ちゃん昨日部活休みだったでしょ?」

確かに昨日蛍は部活を休んでいた。
でも、なぜ金谷先輩がわざわざ予定表を渡すために来てくれたのか…。

正樹「それ、渡しに来たって言うのともうひとつ…」
蛍「…?」
正樹「部活楽しい?」
蛍「!」
正樹「ちょっと心配でさ。あれからあまり会う機会がなかったから、部活うまくいってるかなーと思って。」

正樹自身、なぜ蛍を特別気にかけているのか疑問に思っていた。
しかし、あの日から部活で蛍の姿が自然と目に入っていたのは事実だった。

これは正樹が無意識に蛍を目で追っていたということは正樹自身すらまだ知らない。
そしてこの時、壊れかけていた正樹の歯車がまた動き出そうと音を立て始めたのは…ここだけの話。

---------------------------------------
な、なんだか正樹がイケメン化してる気がする(…私だけ?)

56話 人影→←54話 別の恋



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
設定タグ:オリジナル小説 , 恋愛 , 初恋   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

白銀の九尾、白火@ルア - わふー!久し振り!読んだぜ!訳あって携帯だけど気にすんな!流石鈴臨だね♪また更新楽しみだよ! (2014年2月27日 8時) (携帯から) (レス) id: fe3c4aef14 (このIDを非表示/違反報告)
ふわの*(プロフ) - 「丁重にお断りさせて頂きます」黄瀬が黒子っちにフられたトコですねw (2013年8月18日 19時) (レス) id: f6dd477fe8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴臨 - ありがとー!!これまで見てくれてありがとね!!続編も頑張りますっ! (2013年2月28日 21時) (レス) id: dcd8aaebcc (このIDを非表示/違反報告)
白銀の九尾、白火 - イヤー><!!続編おめでとう♪コメントも評価も、僕が一番なんだ!!頑張ってねー! (2013年2月28日 17時) (レス) id: 57862f179e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鈴臨 | 作成日時:2013年2月27日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。