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横山side
彼は保健室前の渡り廊下の所で見つかった。蹲る彼に何があったのかと近づくと、尋常じゃない荒い息遣いが聞こえた。
「……っ、はっ、…ふぅ、はっ…っ、はぁ、はぁ……」
「！？ちょっ、大丈夫か！？！？」
タオルに顔を押し付けて苦しそうに息をしている。
俺は慌てて彼に駆け寄り背中をさすった。
タオルを握る指先は血の気を失ったように真っ白で、微かに震えていた。
「はぁ、…はっ、はぁ、はぁ……っ」
引きつった息を続ける彼を見ていると、このまま倒れて死んでしまうような気さえする。
「……っ！！ちょっと、辛いかもやけど、ごめんな」
俺は耐えきれなくなり、彼を抱き抱えると保健室へ走った。
幸い、彼が蹲っていた地点は保健室の直前だったためすぐにたどり着くことが出来た。
養護教諭は少し驚いたように俺たちを見たが、その様子に気づきテキパキと準備を整えてベッドに誘導してくれた。
「大丈夫だぞ〜〜落ち着いて、ほら、先生がさするのに合わせて息吐いてみようか」
「…っ、はぁ、は、はぁはぁ…」
「焦らないで大丈夫だから、な？ほら、上手上手」
「んっ……はぁ……はぁ……」
彼の"過呼吸"ってやつは、それから５分ほどして漸く落ち着いた。ベッドサイドに置かれた水を一口飲んだあと、彼は俯きがちに俺を見て、小さな声で呟いた。
「………ありがと」
どうして過呼吸に？とか聞きたいことはいっぱいあったのに、その様子が体育前の彼と違いすぎて、俺は小さく笑ってしまった。
「…おぃ。何笑ってんねん。」
キッと大きな瞳を潤ませて睨む姿にまた笑いが込み上げてきた。しかし、ここはぐっと堪える。
「すまんすまん。これまでの印象と随分違かったから。」
すると彼は深く眉間にシワを寄せた。
「俺はなんも変わっとらん。お前が俺を見る目が変わっただけや。」
「………。」
確かに、そうかもしれない。
自分は第一印象だけで1人の人間を知った気でいた。彼は俺を無視もしたが、助けてもくれた。俺はもっと、この男の事をを知りたいと思った。
「…なぁ、名前、なんて言うん？」
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てん(プロフ) - のさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！完結まで、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2018年2月23日 14時) (
レス) id: 8ddec21add (このIDを非表示/違反報告)
の - 面白い！！もっと多くの目に止まって欲しい作品です！ (2018年2月23日 7時) (レス) id: bc6e72f589 (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - 黒雪アリスさん» ありがとうございます！更新頑張ります(*´ω｀*) (2018年2月18日 1時) (レス) id: 8ddec21add (このIDを非表示/違反報告)
黒雪アリス(プロフ) - 設定ですごく面白そうだなと思っています、更新頑張って下さい(o^−^o) (2018年2月18日 1時) (レス) id: 38a8dac152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2018年2月18日 1時
