毒舌スーパーアイドルは朝日奈になりました2 (ページ37)

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第86話『願ったり叶ったり』ページ37

ジュンside

貴「じゃあいつ告白するの？というかまずメアド知ってるの？」

ジ「えっ？そう言えば聞いてないや…」

貴「じゃあ今聞きに行ってきなよ！」

ジ「ええっ？ちょっまっ、背中押さないでよ」

貴「えぇー、でもほんとに梓さんももうすぐ退院しちゃうよ？今朝そうやって雅臣さん言ってたし…」

ジ「え？」

そっか。梓さんだっていつまでも入院してるわけじゃないんだ。

ジ「私、行ってくるよ……！！」

貴「頑張って、ジュン。じゃあ私はこれでお暇しておこうかな？」

ジ「うん。あんまり暗くなるとAの方が危ないからね、またね」

貴「うん！またね、ジュン」

……という訳で梓さんの病室の前まで来たは良いもののなんて言えばいいの？

なんてグズグズしていたら梓さんの方が気付いたみたいで目が合った。

話したいことってなんだろう？

梓「僕、もうすぐで退院するんだけど、今まで入院していてキミと話す時間がかけがえのないものになっていたんだ。…良かったら、連絡先交換して文通相手になってくれないかな？」

こんなこと言われるなんて夢じゃないかと思って両頬を抓ったら笑われてしまった。

梓「夢じゃないよ、ふふっ」

ジ「あっえっと……その、こんなこと言ってくれた後に言うのもなんなんですが、私のリハビリが終わったら付き合ってくれませんか？」

連絡先交換することが本来の目的だったんだから向こうから言って貰えて願ったり叶ったりだけど、それじゃあ私の熱意がどうにもならないと思って思い切って告白してしまった。

でもAもきっとそれを一番に願ってただろうと信じて。

梓side

色々とこじつけて連絡先交換を申し出たらその後の彼女のお願いがかなり直球だった。

というか、まさか、ね？

梓「今から、じゃないんだ？」

ジ「えっ？」

両想いだなんて、そんな都合のいい話、ね？

梓「僕は別に今から付き合っても構わないけど？」

ジ「ええっ？その、えっと…よろしくお願いします」

“運命”だったら有り得るのか。

梓「じゃあ梓って呼んで？それとリハビリも手伝わせて欲しいな」

ジ「っで、でも、それは……恥ずかしいから…」

梓「ふぅん、Aはいいのに僕はダメなんだ？」

ジ「Aとは幼馴染みでもあるから…」

梓「ふふっ、焦らないで？冗談だよ」

ジ「なっ！」

照れて赤くなっちゃうところも可愛い。

今日がきっと特別な日なんだろうな。