毒舌スーパーアイドルは朝日奈になりました2 (ページ14)

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第63話『本来の彼女』ページ14

梓side

賭けてるものが安すぎて本当に侑介らしい。

Aもそう思ったのかつい笑ってしまっていた。

棗「なぁ梓かひか兄、点数数えといてくれないか？」

だよね。言われると思った。

光「目が追いついたらな？」

棗「ははっだよな」

出来るだけこっちで見とくよ、なんて言う棗も結局はAが居るからだろう。

もし、その場にAが居なかったとしたら僕らが数えてなかったら凄く怒る癖にAが居るからここからはあまり白熱しないと踏んで自分にも余裕のあるプレーをするつもりなんだろう。

貴「本当に私からでいいんですか？」

昴「ああ、女子だしハンデだ」

昴もそんなこと言っちゃってるし、これは棗奢るつもりでいるかもね。

……まぁ途中で本気スイッチが入っちゃったらAが奢るハメになるんだけどね。

光「くくっ、棗はいつまで冷静でいられるかしらね？」

多分、始まって5分もすればいや、10分もすればもう本気モードに入ってると思う。

貴「じゃあ始めますよ！光さん、ちゃんと見てて下さいね！」

光「はいよ」

そう言って意気揚々と打った球はかなり速い速度で棗と昴の間を抜けた。その際にちゃんと相手コートに着地して居るからAたちの方にちゃんと点も入る。

侑「オメー、すげーな！なんでそんなにうめーんだ？」

貴「ふっふっふ！まぁヒカリも蘭も負けず嫌いだからな〜？」

侑「すげーな！ほんとオメー！！」

棗と昴は暫くの間呆然と立ち尽くしていたけどすぐにスイッチが入ったみたいでそこからのラリーはほとんど球が見えなかった。

光「休めっつったのに…まぁあの子らしいか」

Aね…大人っぽく見られがちだけど実は内面がまだまだ子供で可愛らしいけどその中に呆れがどうしても少し混じってしまうんだよね。

……でも本来はこういう明るい子なんだろうな、きっと。

前にAを引き取ることになる時椿が言ってた「昔はもっと明るかった」って言葉。今になって無性に感じるようになった。

白熱の試合の末、勝ったのはAたちだった。と言っても後半はほぼAと棗の一騎打ちだったけど。

光「棗…アンタ、大人気ないわよ」

棗「ﾊｧﾊｧなんとでも言え」

貴「ふふっ棗さんって案外椿さんそっくりなんですね、ふっ」

棗「おい……誰が椿とそっくりだって？」

梓「ふふっ言われてるよ、棗」

光「ふはっ、まぁ一応3つ子だしな？A、疲れたんじゃない？大丈夫？シャワー浴びてきなよ」

貴「うんっじゃあまた後でね！」