ギンモクセイ 《レオナ・キングスカラー》

＊６話＊ ページ7

＊＊＊
レオナside

「ああ、嫌いだよ」

そう、言ってやった
これで俺から離れてくれる…、そう思っていたのだが

「それは、なぜです…？」

…まだ聞くか。意外としぶとい

めんどくせぇな…

でも、そんなに聞いてくるのなら…
…自分の思いを全部話してしまおうか

「お前は何も苦労せず生きてきたんだろ？」

「え？」

「お前は第１王女。どうせ何もしなくても１番上の立場になれる」
「でもな…俺は、どんなに頑張っても１番にはなれねぇんだよ」

自分の、俺の思いを包み隠さず言った
…さて、こいつはどうくるのか、

「…違います」

「は？」

『違います』…だって？
…何が違うんだ、本当のことをを言ったまで、だ

「それは、違います」
「…私は第１王女です。でも…私には兄がいます」

「！」

まさか、兄がいたとは…
じゃあ、こいつも俺と同じ思いをしているのではないか…？
そう考えていると、俺は自分の言ったことをひどく後悔した

「私も、どんなに頑張っても１番にはなれません」

「…っ、じゃあ「でも」…」

「でも、私は努力し続けるの。《努力はいつか報われる》、なんて言うじゃない？」
「それでも何も変わらなくても力はついても邪魔にはならないわ」
「だから、ねっ？レオナ。レオナも努力して一緒にファレナ様やお父様を見返してやりましょ？」

「っ…」
《キュンッ》

…俺にこんなことを言ってくるやつはこいつが初めてだった、

「っあ、すません…！私、貴方様になんて口を…！」

やはりこいつは…

「…ふふっ、はははっ…！」

面白い

「…！？」

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