その教師、後悔 ページ35
「……もし何かあったら、どうするつもりだったんだ?」
『……え、と……』
「怖い思いをするのは仔犬だ。……そんなのも分からないのか」
クルーウェル先生の鋭い双眸が、Aさんを見る。
Aさんはぎゅっと手を握って、地面を見つめていた。
……私たちも、クルーウェル先生の言い分には割と全面的に同意なので。今回はクルーウェル先生に任せましょう。
「……仔犬だけじゃない。他の生徒にも迷惑がかかるかもしれないんだ」
迷惑、と。
その言葉を聞いた瞬間、Aさんが床に膝をついた。
その行動に私たちが驚いていると、Aさんはその状態でクルーウェル先生を見上げる。
次の瞬間、Aさんは私たちが想像もしていなかった行動に出た。
『……ちゃんと、言うこと聞きます。授業も、毎日受けるし、先生たちに言われたこと、なんでもします。っ、迷惑も、かけません……。……だ、だから』
ゆっくりと、Aさんが床に頭をつけた。
先生たちが、慌ててAさんに駆け寄っていく。もちろん、私も。
『すて、捨てないで、くださ……っ、お願いします。……わたし、を、ここに……おいて、ください』
恐らく泣いているのだろう。仮面でくぐもってはいるが、震えた声。
……あぁ、本当にこの子は。どんな育て方をされてきたのだろう。
まだ十六歳の少女が、少し怒られただけで「捨てないで」だなんて。……思わず少し、泣いてしまった。
「……Aさん、顔をあげてください」
私はそうAさんに話しかける。私が出来る、一番優しい声で。
恐る恐る、震えながら顔をあげたAさんを安心させるように笑った。
……隣でクルーウェル先生が「やってしまった」という顔で落ち込んでいる。あ、サムさんが慰めにいきましたね。
「……Aさん、クルーウェル先生も貴女が心配なんです。だからキツく言っちゃったんです」
『……っ、しん、ぱい?』
すん、と鼻を鳴らしながらAさんが首を傾げる。
私は「はい」と頷いて、Aさんの手を引いた。……そのままクルーウェル先生の前まで連れて行く。
ー ー ー ー ー ー ー
夢主ちゃんと 先生たちの 親密度が 100上がった!
……何故私は生徒たちじゃなくて先生ルートを攻略しているのだろう。
あとアレです、義母たちのせいで夢主ちゃんの中では迷惑=捨てられる、なんで。
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推しが尊い - 先生まじで優しすぎて泣く。好感度がバク上がりした (4月27日 0時) (レス) @page46 id: 653187292b (このIDを非表示/違反報告)
Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…!義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました!何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです!完結おめでとうございます! (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが?!!好きです!! (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年9月18日 16時