その少女、反感 ページ16
「……そう言えば、君はどこに泊まるんすか？オンボロ寮？」
『えっと、確か……そうだったかと』
「もうユウには挨拶したのか？」
クロウリーさんがそんなことを言っていた気がする。
私が頷けば、レオナさんが私の頭に腕を乗せて体重をかけてきた。……あの、重いです。
『……ユウ？……あぁ、あの醜い女の子のことですよね』
「……え？」
ぽつりとそう溢せば、ラギーさんが小さく声を漏らすのが分かった。
レオナさんも虚を突かれたように私を見ている。
私は二人の纏う空気が変わったのに気付かず、尚も続けた。
『良いですよね、あの子。何もしなくても守ってくれる
「……なんすか、それ。ユウが何もしてないわけないじゃないっすか」
『……ラギーさんも、エースくんたちと同じように怒るんですね。どうしてですか？』
「……お前、名前は」
私が呟くと、ラギーさんが怒った顔で私に告げる。
なんで。どうして。……どうしてあの子は庇ってもらえるの。
私が考えていると、レオナさんが静かにそう言った。
『……グレイ。グレイ・エラ』
「なるほどな。……Aの姉……いや妹か？」
……また私の名前。Aは私。あの子はドーリー。
私、グレイなんて名前じゃない。……どうして。
じわりと涙が滲んでいく。私が私であることを、否定されていく気がした。
「顔は似てなさそうっすけど。……性格の悪さは似てるんすね。アンタのこと、この学園には似つかわしくない良い子だと思ったんすけどね」
ラギーさんの失望した声が耳に届く。
レオナさんはゆっくり立ち上がって、それから出口の方へ向かっていった。……私を軽蔑したように見下ろしながら。
その後ろを、ラギーさんがついていき。
残ったのは私だけになった。
『……っ、なんで私ばっかり……』
校舎の方から、鐘の音が聞こえてくる。ご飯終わりの合図だろうか。
教室に戻らないと。そう思うのに、身体が動かない。
……戻りたくない。
私は建物の中を歩き回り、奥の奥。絶対に誰にも見つからなさそうな場所を見つけた。
『……ここ、良いかも』
私はゆっくり腰を下ろし、両足を抱える。
嫌なこととか、辛いことがあったときはいっつもこうしてやり過ごしてきた。
……誰か、来てくれないかなぁ。
そう願ってしまったのは、何故だろう。
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推しが尊い - 先生まじで優しすぎて泣く。好感度がバク上がりした (4月27日 0時) (
レス) @page46 id: 653187292b (このIDを非表示/違反報告)
Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…！義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました！何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです！完結おめでとうございます！ (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが？！！好きです！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2020年9月18日 16時
