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その少女、疑問 ページ14

『……私、腐ってないタマゴサンドって初めて食べて』


「ねぇだからジャブが重い」




家で食べてたのは、腐って食べれなくなったタマゴを使ったものだったから。


私がそう笑うと、男の子は目元を抑えた。レオナさんも驚いた顔で私を見ている。




「……まぁ良いっす。うん、聞かなかったことにする」


『?……そう言えば、あなたの腕ってどうしたんですか?何だか不思議なことになってますけど』




何だか一人で納得した男の子に、私は聞く。


その瞬間、この場の温度が低くなるのを感じた。……何か変なこと言ったっけ。


私が考えていると、レオナさんが静かに口を開く。




「俺がやった。……ユニーク魔法でな」


『ユニーク魔法……ですか』


「あぁ。全てを砂にしちまう魔法だ。それでラギーの腕も砂にしてやった」


『あ、この人ラギーさんって言うんですね』




怖い魔法だろう?とレオナさんは笑う。


その笑みが何だか悲しそうだと思った。……何でかは分かんないけど。


でも、ラギーさんの腕あれだと不便だろうな。




『治せないんですか?その腕は』


「無理無理。ユニーク魔法での損傷を治すなんて、お金が何マドルあっても足りないっすよ」


『……なら私が治しましょうか?』




そう尋ねた私を、二人は「こいつ馬鹿か?」という目で見た。許さない。


私は立ち上がってレオナさんの前までいき、レオナさんに自分の腕を差し出す。


レオナさんはきょとんとした顔で私を見上げた。




『……ラギーさんにかけたユニーク魔法を、私にも掛けてください』


「お前話聞いてたか?砂にするって言ってんだろ」


『途中までで良いので。ラギーさんと同じ腕になるくらいまで』


「……はぁ、どうなっても知らねぇからな」




私の腕から目を背けるように顔を逸らしたレオナさん。


その前に再び腕を持っていけば、レオナさんは大きくため息をついて私の腕を掴んだ。


ちなみにラギーさんは目を丸くさせてぽかんとしている。




「俺こそが飢え 俺こそが渇き お前から明日を奪うものーーー」




レオナさんの詠唱とともに、魔力が掌に集まっていく。


その魔力量に息を呑むと、レオナさんがにやりと笑うのが分かった。




「平伏しろ 王者の咆哮(キングス・ロアー)!」




詠唱終了と同時に、私の腕がだんだんひび割れていく。


痛いような、そうでもないような。何だか不思議な感覚だ。

その少女、価値→←その少女、譲渡



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Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…!義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました!何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです!完結おめでとうございます! (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが?!!好きです!! (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - カリムくん優しすぎて私まで涙ちょちょぎれてましたうわぁぁん(T_T) (2020年11月25日 23時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年9月18日 16時

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