その少女、購買 ページ11
走って、走って。着いたのは、お店のような場所だった。
色々なものが置いてあって、カラフルな場所。
中に駆け込むと、店主らしき人が出てくる。
「hey、小鬼ちゃん。……転校生ちゃんかな？俺の名前はサム。お見知り置きを」
『……A・エラ……』
「おや、小鬼ちゃんの名前には聞き覚えがあるね。……どっちが偽物なのかな？」
褐色の肌と骸骨のようなペイント。少し変な髪と、服装。
怪しさ満点のはずなのに、この人になら話してもいいと思えて。
私はゆっくりと口を開いた。
『……私、が本物……。あの子は、私の義理の姉で、ドーリー。……っ、本当よ、嘘じゃない……』
私の言葉に、サムさんが目を細める。
……やっぱり信じてもらえないかもしれない。私が偽物だって、疑われるかもしれない。
そう思うと怖くなって、身体が震えだした。
「もちろん信じるさ。学園長からも話は聞いているしね」
『……クロウリーさん、から』
音符でも飛ばしそうな言い方でサムさんは笑う。ウインク付きで。
……優しいなぁ、クロウリーさんは。私なんかのために、他の人たちにまで。
「さて、何か買っていく？」
『……大丈夫です。……でも、もう少しここに居ていいですか？』
「構わないよ。ならこっちにおいで。……先生方には連絡しておいてあげるからね」
サムさんは私に手招きをして、お店の奥へと誘う。
奥には恐らくサムさんが暮らしているのであろう部屋があった。
少し高そうなベッドにソファ。それからテレビなど。
「好きなところで寝てていいよ」
『……なら、ここで』
私が選んだのは、床の上だった。
だって、ベッドでなんて寝たことがないし。こんな大きな部屋でも寝たことがない。
けど、サムさんは驚いたような顔をして私の手を引いた。
「残念だけど、それは許可できない。学園長に、君のことは出来るだけ甘やかしてくれと言われているんでね」
『甘やかす必要なんてない。それは可愛い子、美しい子にだけ与えられる権利だから』
「それは違うね小鬼ちゃん。……人は皆、甘やかされていいんだよ。というわけで、小鬼ちゃんが寝るのはこのベッドだ」
サムさんはそう言って私の身体をベッドに投げた。
ふわふわとしたマットと、もこもこの毛布。それから、硬くない枕。
ふわりと香るのは、少し不思議な匂い。……サムさんの香水かな。
心地よい空間に、私の意識はすぐに沈んでいった。
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推しが尊い - 先生まじで優しすぎて泣く。好感度がバク上がりした (4月27日 0時) (
レス) @page46 id: 653187292b (このIDを非表示/違反報告)
Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…！義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました！何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです！完結おめでとうございます！ (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが？！！好きです！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2020年9月18日 16時
