un cuoco curioso① (ページ35)

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【中等部】34 ページ35

分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)でオムライスを作りたいというAにアリスは快く了承し黒木場に必要な食材を準備させる。

ア「あ！そうだわ。聞き忘れてたんだけれど、Aちゃんは絵は得意かしら？」
『絵なら料理作る時のイメージで描いてる。』
ア「なら良かったわ！分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)で調理するときは料理の完成形が無いと形にし辛いの。」
『あぁ、そっか…。』

納得したAはアリスから機材の使い方や食材から抽出できる成分を教えられながら調理を進める。
初心者であるAは殆どの調理工程をアリスが組んでくれた調理法に従って調理を行い、今まで見た事無いオムライスが出来上がった。

ア「初めてにしては上出来よ！」
『…これがオムライス？』
葉「…には見えないよな。」

普通のオムライスの要素は一切なく、調理していたAも軽いサポートに入っていた葉山も困惑しながら出来上がった品を試食する。

『……オムライスだ。』
葉「あぁ、美味いな。」
ア「うん！及第点ね！後は食材の成分や配合、機材の使い方を覚えればいいだけよ。」
『…分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)って面白いね。』
ア「うふふっ、分からない事はなんでも聞いてちょうだい！」

得意分野に興味を持ち実践までしたAにアリスはいつしか思ったえりなに対する優越感はとうに忘れAとの交流に喜ぶ。

黒「…そういや、朝ピックアップしたコンクールはどうするんだ…？」
ア「そうだったわ。」
『…とりあえず、賞金とか無しで一回出てみる。』
葉「規模とかスポンサーによって変わるから試しに出場してから軌道変更って所だな。」
ア「そうね。実力を確認してからでも悪くないわね。」
黒「…で、いつから出場するんだ…？」
『…一番近くて参加できるのが2週間後のフレンチのコンクール。』

いくらなんでも日にちが無いし大丈夫なのかと黒木場は言うが、Aは大丈夫の一点張り。

『…昨日父さんに聞いたら才波は名乗るなって言われた。』
ア「？どういうことかしら？」
『…なんか…昔優勝しまくってたから名残で審査に影響出るからって。』
ア「へぇ、そうなの。でもまぁ、賞金は小切手だし問題ないと思うわ。」

葉山がコンクールのレシピも考えないとと言うとAから分子美食学(分子ｶﾞｽﾄﾛﾆﾐｰ)の要素を使いたいと申し出た為、急遽コンクールに向けてのレシピ作成と試作が行われる。