un cuoco curioso① (ページ28)

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【中等部】27 ページ28

葉「俺、明日は潤と一緒にゼミと提携してる企業に行って打ち合わせに行くけど大丈夫か？」
『え………、いないの？』

まさかの葉山が居ない状況で見知らぬ人がいる研究会に一人で行くことになるとはAは思っていなかった。
しかしAは知的探求心が高いのか直ぐに行かないとは口にしなかった。

『…。(どうしよう…。)』
葉「Aだって興味あんだろ？それにあの先輩、多分Aの事知ってるし…何か聞かれても頷くか首振れば分かるだろ。嫌だと思ったら直ぐ出ればいい。」
『なら、行ってくる……。』
葉「ん。頑張れよ。」

殆ど葉山に諭されたがAは明日の放課後に最先端料理研究会に向かう決心をした。
諭した葉山本人は当日に同行出来ない事を不安に思いつつ、明日の予定をすっかり忘れていた自分を内心攻める。

翌日、葉山はHR後に早々にゼミに向かいAは研究会に向かう。
同好会や研究会が入っている校舎に入り、地図に従い最先端料理研究会が使っている教室に辿り着く。
扉越しに会話が微かに聞こえたが、部員かと思いAはノックした後扉を開ける。

『…。』
万「食戟だと？」
ア「そう！この'最先端料理研究会'の部室が必要なの。だから食戟で私が勝ったら部室は頂戴するわ！」

白い髪にAと同じくらい白い肌の女の子と先日一方的に予定を立てた部長が部室内にいた。
会話の最中に扉を開けた事で気付いたのか2人はAに視線を向ける。

万「才波さん！良かった来てくれて。でもすまないね、今彼女が食戟を挑んできてね…。」
『……？』

何故と言うようにAは小首を傾げるが、アリスは以前えりなから聞いた才波Aが今入って来た子だと知る。

ア「貴女がえりなが言ってた才波さんね！私は薙切アリスよ。」
『…。(アレの血族…。帰ろう。)』

えりなの血族と分かるとAは踵を返し帰ろうとするとお付きの黒木場に腕を掴まれ止められた。

ア「えりなから貴女と何があったか聞かされた時は涙がでる位笑っちゃたわ！」
『…。』
ア「だってあれはえりなが悪いんだもの。私はお店に立った事は無いけど、リョウくんのお店で料理勝負してたからそういう性分の人の事は分かるわ。」
『………そう。』

アレと同じかと思っていたが、育った環境が違う為かアリスはえりなと違った。

黒「才波…だっけ？編入した時にクラスの奴から聞いたけど…お嬢はしつこいぞ。」