un cuoco curioso⑯ (ページ45)

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【高等部２年】710 ページ45

『フレーム？』

Aは黒木場が言った事に気になり改めて厨房を見ると調理台と人が1人収まるスペースで植物が置かれ首を傾げた。

葉「なんだこれ？」
『なんか区切られてる…？』
ア「…なんだかフォトフレームみたいね？」
『フォトフレーム…あ、分かった。』
葉「…叡山さん、客に写真を撮らせて宣伝させる気だな。」
黒「あの人、進級試験の帰りにAの解体動画とか送ってたよな？」
『うん、部下に撮らせたやつ。』
ア「ねぇ？あそこに"Freedom to shoot"って書いてある札があるわよ？」
『あ…確定だ。』
葉「肖像権とか良いのかよ…。」
黒「アウトじゃねーか？」
ア「それを言ったらAなんて名前は平仮名でも茜ケ久保先輩の呟きに乗ってるし動画だって乗ってるのよ？」
『元帥着任の時にメディアに出ちゃってるし期末でもフォロワーさんと写真撮ってるし、アキラも諦めて顔晒して。』
葉「晒しはやめてくれ。」

1年の学期末から色々な所で顔が出たAはもう諦めており葉山もこれを機に巻き込もうとしていた。
ホールに対面するような厨房の造りを見てから食器やカトラリーを確認し、更に企業との打ち合わせに使う部屋も確認するとA達は15卓ある内の1卓を使い休憩を始める。

『アリスは今年は自分で出店したんだね。』
ア「えぇ！今年もA達と一緒に出店したかったんだけど…やっぱり十傑ってなると難しかったわね。」
葉「今年も来そうだと思ってたけど、十傑っていうネームバリューってデカいよな。」
黒「…今年と来年は総売上で勝負だな。」
『アリスと黒木場は今年は別で出店？』
ア「リョウくんと一緒よ♪タクミくんとイサミくんも今年はトラットリアじゃなくてリストランテとして出店するって言ってたわね。」
『言ってたね。』
黒「あいつらの店はイタリアっぽい店構えだったな…。」
葉「アリス達の店はどんな感じなんだ？」
ア「私たちのお店は機材の事もあってスタイリッシュなデザインよ。」
『うん…あの機材を置くならそうなるよね。』
黒「なんつーかこう…未来系？」
葉「なんだよそれ。…イメージ的に研究所とかか？」
ア「ホワイトとシルバーをメインにした店内で外装も派手ではないけど科学的にしたわ。」
『なんか宇宙っぽい化学未来形っぽいね。』

アリスが建てた店の内外装を聞きまず浮かんだのは今よりも先の時代にありそうなイメージだったがアリスが使う機材を考えると選択肢は多くないなと思った。