un cuoco curioso⑯ (ページ44)

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【高等部２年】709 ページ44

葉「大体のコンセプトは決まりましたし良いですけど、絶対記念じゃなくて営業に使う気ですよね？」
『実績とプロデュース例…。』
叡「半分はな、お互い良い宣伝になるし良いだろ。」
『叡山先輩センス良いから…任せます。』
叡「よし、決まりだな。」

叡山の提案はA達にとって悪いものではなくお互い利益があると承諾すると叡山は次の案件があると言ったことでA達はゼミに戻り月饗祭でのコース料理を固める。

葉「…建築って2週間足らずで出来んのか？」
『実際出来てるから出来るんじゃない？にしても…立派過ぎない？』
葉「マジでセンスは良いが…叡山先輩なら最先端を行くと思ってたがモダンな感じだな。」
『3階なんて半面ガラス張りだし。』

叡山が監修した店が完成したと聞きAと葉山は早速向かうと山の手エリア内に立ち並ぶ豪華な建物の中にヨーロッパの古城の様な建物を見上げた。

ア「ここって二人のお店だったのね？モダンな建物だから誰のお店かと思ったわ。」
『あ、アリス。』
葉「叡山さんの案に乗ってな、そしたらあの人記念と実績の半々で建物丸ごとプロデュースだ。」
黒「へぇ…。」
ア「叡山先輩が？でも他とお店の雰囲気は被ってないし目を引くわねぇ。」
『派手過ぎず質素すぎず、でも高級感があるよね。』
黒「内装は終わってんのか？」
葉「そこも叡山さんがやってるぞ、今から見に行くけど来るか？」
ア「見たいわ！」

今年は自分達で店を出すアリスと黒木場がAと葉山の店だと知り合流すると外装の後は内装だと預かった鍵を使い両開きの扉を開けると中は木材を多く使用しており観葉植物もあって植物園の様に落ち着く雰囲気だった。

『わぁ…流石叡山先輩、こういうの好き。』
葉「なんか温室みたいで落ち着くな…。」
黒「天井からも吊り下げてるな…どんだけあんだよ。」
ア「でも緑色や植物は無意識に緊張やストレスを和らげる効果があるの、リラックスした状態でコース料理を味わえるなんて叡山先輩は心理的効果も取り入れたのね。」
『花がついてるのもないし料理にも影響しないから有難いね。』

ロビーを見渡しシンプルだが木製の床と白い壁に緑が映え更に新築らしい木の香りと植物の鮮やかな緑に落ち着きを覚えた所で肝心のホールに向かう。

ア「あら！こっちの方が温室みたいじゃない？」
『暖房付けてないのにあったかい…。』
葉「マジで温室だな。」
黒「ここも緑がスゲェ…なぁ、なんか厨房の所がフレームっぽいぞ。」