un cuoco curioso⑯ (ページ28)

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【高等部２年】693 ページ28

葉山やアリスの方は特に言い合いになったりせずに調理を進めており先に審査に入ったのはアリスとイサミのペアだった。

『アリス達はイタリアンに分子ガストロノミーを混ぜたんだ…。』
タ「まぁ予想通りだな。A、ソースの確認をしてくれ。」
『ん。……味と香りどっちもOK。』

時折タクミから味と香りの確認を言われAはタクミが差し出すほんの少しソースが乗ったスプーンを加え味見し味と香りどちらも高いレベルの品を作っていく間に葉山と新戸のペアの審査と少し遅れてえりなと黒木場の審査が続く。

タ「葉山と新戸さんは薬膳とスパイスを上手い具合に使ったな。」
『薬膳とスパイスは名前は違うけど同じ物が多いし合わせやすいだろうね。えりな達は…やっぱフレンチかぁ。』
タ「黒木場ならではの魚介料理もあるな…よし、仕上げ完了だ。」
『こっちもエスプーマで終わるよ。』

仕上げの最後にAが旨味成分をこれでもかと加えたソースを入れたボトルのレバーを押しエスプーマを乗せると完成した3品をサーブしに行く。

イ「えっ!?兄ちゃん達なんで３品!!?」
葉「コース料理は２品連続のはずだろ？」
『それは連隊食戟でしょ？学園内での食戟で誰も２品だけって言ってないよ？』
え「…そうね、たしかに連隊食戟でのお題が頭にあったから前菜とメインの２品になっていたわね。」
新「も…盲点だった…！」
ア「もうっズルいわよ二人共！狡賢いわね！」
黒「えりなお嬢ぉ！俺等も３品にすんぞぉ!!」
え「もう審査も終わったのだから無理です!!」

しれっとAが前日にタクミに言った事をそのまま言えば全員そうだと言う顔で気付くが文句は言われずAとタクミは審査員にサーブを行い、時折調理の説明をしながら実食が済むと審査員達は長考した後各々投票ボタンを押す。

川「さぁ審査結果です!!…これは……A様・タクミペア2票!!えりな様・黒木場ペア１票！葉山・新戸ペア１票！アリス・イサミペア１票でA様・タクミペアの勝利です!!!」
タ「グラッツェ!!」
『お粗末様です。』
ア「あーん！悔しい～!!」
イ「負けちゃったけど票無しじゃなくて良かったー。」
葉「流石になぁ…やっぱ現場組は強いな。」
新「あぁ、それにA様がチューニングを行っていたのと３品作った事で更にハイレベルな品になったのだろう。」
黒「クソがぁあああ!!もう１回だぁ!!」
え「この後のスケージュールが控えているので連戦は無理よ!!」

(黒木場は幸平よかマシなレベル。)