un cuoco curioso⑯ (ページ24)

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【高等部２年】689 ページ24

水「あの、審査が終わったらA姉様も評価をお願いします！」
堂「良いのか、総帥。」
え「審査が終わった後なら問題ありません。」
仙「ならば結果を申そう。…此度の品は発想力が良く、かつ良質な野ウサギを確保し的確な調理を施した!!そして、その品には強い感情という料理人の顔を垣間見た!!」

仙左衛門がどちらの品か明確に言わず評価を言うと一方は強張った顔をし一方は真っ直ぐ仙左衛門を見ていた。

仙「秋の選抜・決勝戦、勝者は…水鏡奏!!」
水「…ッ!!!よしっ…！」
『よくやったね水鏡、じゃあ…審査しようか。』
水「おっお願いします!!」

水鏡が勝者となった事で会場は湧き上がるがAが審査と言った途端再び会場は静まると水鏡は仙左衛門達にサーブするよりも緊張した顔をした。

『…へぇ、韓国のチーズタッカルビをスペイン料理じゃなくてイタリアンにしたんだ。(ｽﾝｯ)うん、ちゃんと臭み抜きしてるね。玉ねぎとレモンとハーブのマリネを使ったね？』
水「は、はい。」
『ハーブとレモンをトマトの相性に合わせたのは合格。(ﾊﾟｸｯ)…うん、マリネをみじん切りして混ぜた野ウサギのミートボールとニョッキや秋野菜…火入れも完璧。評価はA+だね。』
水「やった…!ありがとうございます!!」
英「水鏡ぃ～!!!」
｢｢｢｢｢優勝だー!!!｣｣｣｣｣
『あ…。』

AからのA+の評価が出ると決勝を勝ち取った以上に喜ぶ水鏡に相方の英を始めAの生徒が雪崩れる様にタックルし雪崩が起きた。

『元気だなぁ…。』
水「重い！でもありがとう!!」
英「終わったら祝杯上げるぞ皆ー！」
｢｢｢｢祝いだぁー！｣｣｣｣｣
『はいはい。表彰式やるからさっさと戻る。』
｢｢｢｢｢はいっ姉様！｣｣｣｣｣｣

Aの一喝で水鏡以外全員客席に戻ると表彰式が行われ新聞部の取材などもあったが今年の秋の選抜は無事に閉幕した。
Aは先程の品をアリスと分けて完食すると堂島を含め薊達がいる特別観覧席に向かった。

『ただいま。』
薊「おかえりA、さっき生徒が凄い事になっていたが大丈夫かい？」
『嬉しさのあまりにエキサイトしただけだよ。』
堂「それより俺はAくんが姉様と呼ばれてる事に驚いたがな。」
ア「あぁ、それは下級生共通ですよ？主にえりなの派閥じゃない子ですけど。」
『それ知った時はアキラと驚いたけど…姐ちゃんとかお嬢とかあるしもう良いかなって。』
真「生徒に慕われておるなら良かったではないか。」

(統率の取れたAの生徒達。)