un cuoco curioso⑯ (ページ12)

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【高等部２年】677 ページ12

『あぁ…確かに。だけど黒木場は複数の海老を使ったけど今回のは香味野菜と鶏ガラと鮟鱇の骨だからむしろパエリアだね。』

A達は今会場で作られた品の話をしながら選手の入れ替え等を待ち第二回戦の試合も観戦し、勝者が決まると薊と真凪がいるため生徒達がいなくなるまで観覧室で時間を潰す。

『ふぅーやっと終わった。』
薊「Aはこの後どうするんだい？」
『明日の講義の確認もあるからアキラと合流して帰るよ。』
え「そう…一緒に夕食でもと思ったけど残念ね。」
真「仕方なかろう、えりなの我儘で講師をしておるのだから忙しいのじゃ。」
『我儘じゃなくてお願いだよお母さん、それに給与はちゃんと貰ってるから。』

我儘と言われ真凪に反論しそうなえりなを止めるべくAがお願いだと言うとえりなも突っかからなかったが顔は何か言いたい顔をしているのを横目で見ているとノック音が聞こえた。

葉「A、迎えに来たぞ。」
『ん、お疲れ。』
薊「そっちはもう終わったのかい？」
葉「あぁ。明日はどうすんだ？決勝まで見るならここは開けとくが…。」
え「なら開けておいてちょうだい、もしかしたら明日はアリスが来るかもしれないわ。」
『叔母たち？』
真「今年の決勝の審査は兄上が丁度日本にいるからと審査員に名乗り出たらしくてのう、恐らく仕事が終われば来るであろう。」
葉「すげぇ…薙切家一家総出で観戦とか生徒が緊張するな。」
『最早人外魔境の王族の集いじゃん…そんな中で調理出来んのかな。』
薊「人外魔境…。」
葉「この会場内に覇王と魔王と女王がいるからなぁ…Aと真凪さんはなんだ？」
『…お母さんは女帝だね。』
え「女帝…そうね、たしかに合ってるわ。Aは………何かしら？出てこないわ。」
葉「Aはにゃんこで良いだろ、それか女王と女帝並びで女公だな。」
『どっちも嫌なんだけど…。』
薊「うん…真凪もえりなも猫と言うよりは豹や虎だがAは猫で合ってるよ。」
真「おい薊…。」
え「ちょっとお父様？」
葉「ドンピシャで合ってるだろ。」
『うん、言われてみれば合ってるね。』

薊から豹と虎と表現された事に異を唱え始めるが葉山やAからも合っていると言われそんなに似ているかと怪訝な顔をするとA達は要らぬ火の粉が掛かる前に逃げようとそそくさと部屋を出ていった。

(まぁ強ち間違ってはいないけど…豹と虎。)