un cuoco curioso⑭ (ページ24)

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【高等部2年】619 ページ24

『うぅん、多分一人。住所教えたから家に来るはずだよ。』
薊《女の子が一人で渡米は危ないが、仕方が無いし僕は家で待つとしよう。…そういえばAはお母さんに料理を味見して貰った事も忘れてしまったんだよね？》

まだ真凪が薙切にいる時にAが真凪に料理を味見して貰った事をAは初めて知るが忘れてしまったと首を振った。

『覚えてない…けどどうせ良い反応じゃなかったんでしょ？』
薊《それはえりなの方だよ。えりなには佳き品、Aの料理は美味だと言っていたんだ。》
葉「それって親バカだからあえてそう言ってたのか？」
薊《それは無いよアキラくん。真凪も神の舌を持ち味見役として絶対の判定をしなくてはならないし身内の料理の判定にも容赦ないからね。》
『何を作ったのかも忘れたなぁ…。』
葉「１０年以上前の事だろ？流石に作った料理はなぁ…。」
薊《たしか…Aが４歳になる前だったね、フレンチの基礎を教えてから僕と真凪に初めて作ったんだ。》
葉「なんで二人にだけ？」
薊《えりなは当時すでに味見役をしてたし屋敷に居なかったからね。Aの初めて作った品は今でも覚えているよ。》
『なんか…最初に作った品も気になるけど絶対今見たら微妙な品なんだろうな…。』

幼い頃に最初にちゃんとした料理を作りそれを薊と真凪と出したと知るAは何を作ったかは分からないが少しだけリベンジして完璧な品にしたいと思うと薊は懐かしむ様に当時の事を思い出す。

薊《まだ教えたばかりで拙さはあったが、そうだな…あの品は料理名で表すのは難しかったね。》
『何作ったんだろう過去の私…。』
薊《肉料理…といえば収まるがコンフィやガランティーヌでは無かったね。》
『それただ失敗してそうなったんじゃない？』
葉「当時はまだ4歳だしな？」
薊《調理を見てなかったけど、恐らくそれもあったのかもしれないね？でも真凪はAが作った品は暖かく思いやりを感じるから美味だと嬉しそうだったよ。》

失敗したからこそ既存の料理では無くなったからかと先程中継で真凪が言った"地球上に無い皿"となったのかAは首を傾げる。

『ある意味で…地球上に無い皿？』
薊《そうかもしれないね。ただ…当時はまだ真凪も味に絶望する前だったから、家を出た後にAの品を思い出した可能性もある。》
『それでBLUEを使って同じ様な料理を作れる料理人を探すしてる？うーん、ちょっと不可解。』

(意図せず作っちゃったA。)