8話 ページ10
『ごめんね？來良くんと川西くんにダンス教えてたら前いく時間なかったんだ。』
「それにさー、俺が一番に話しかけたんに他の人とばっかり仲良うなっとるし、來良と豆なんかは名前で呼んどるやん。俺とももっと仲良くしてよ。」
蓮くんの方が私より若干身長が低いとはいえ、それでも身長はほとんど変わらないはずなのに、しょぼんとした顔の蓮くんに上目遣いで見つめられてびっくりした。どうやって大してない身長差で上目遣いしてるんだろう。かわいすぎやしないか？
『ふふっ、ごめん。じゃあ蓮くんって呼ぶね。蓮くんもAって呼んでよ。』
「うん！Aちゃんって呼ぶね！」
ぱぁっと顔を輝かせて嬉しそうにする蓮くんが可愛くて仕方がない。なんだか本当に同い年なのか疑いたくなるような可愛さで、頭を撫で繰り回したい欲求に駆られた。なんで練習生のみんなはこんなに可愛いんだ？
そして全体での練習が終わった。
「Aちゃん、宿舎に移動するけん一緒に行かん？」
『うん。一緒にいこっか。』
蓮くんと一緒にバスに向かって歩いていると、川尻くんと同じグループの大平くんと山田くんが寄ってきた。二人ともどこかソワソワしている様に見える。…もしかして蓮くんと話したいのに私がいて緊張してるのでは？なら、私はどいた方がいいな。
『じゃ、また練習室でね？』
「えっ？Aちゃん一緒に座らんと？」
『だってチームで一緒に座るんだったら邪魔じゃない？』
なんて蓮くんと会話してると、あの！と大平くんが声をかけてきた。
「一緒に座りませんか？その、3人やさかい誰かは一人になるし、大宮さんと仲良うなりたいです。」
『ありがとう。ぜひ一緒に座らせて？』
「じゃあ一緒にバス座れるね！早くバス行こう！」
蓮くんが山田くんの腕を引いて、二人はテンション高くバスに向かっていく。残された私と大平くんは顔を見合わせて笑った。
「ブフっ、蓮くんも聡くんも、俺より年上やのになんであんなはしゃいでるん？俺より子供やん！」
『ほんとだよ、大平くんが一番大人だね。』
「あ、俺のこと大平じゃなくて祥生って呼んでください。蓮くんだけ名前で呼ばれとってずるいやん。」
二人の後を追いながらこっちもこっちで大平くんと話していると、ちょっと恥ずかしそうに照れながらそう言ってきた。あぁ、可愛い。
『仲良くしてね、祥生くん。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 202人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「JO1」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おおはら | 作成日時：2021年10月7日 14時
