114.そんなつもり。 ページ9
「いっ...！つー...」
背中、シミルーっ！
ボディソープ、シミルーっ！
お湯で汗流すだけにしとけば良かった...。
シミル泡をザーッと流して、浴室を出て鏡で背中を見てみると何本も付いた引っ掻き傷。
「すっげ...」
そんなに良かったんだ...だよなー...あんなAちゃん初めて見たもん。
ちょーえろくて可愛かった...
...って、おい！鎮まれ、俺！
もう今日は打ち止め！の、つもり！
ムズムズする下半身から気を逸らす為に、必死で違うこと考える。
明日の昼、何食おっかなー。
もう26日になるのかー。
年末だなー。
年越し、どーしよ。
やっぱAちゃんと過ごしたいなー。
そして姫始めっ！
男のロマン！
...ってもう、俺、これじゃマジで思春期...。
肩にバスタオルを掛けて鏡の中の自分に「バーカ」って呟く。
「櫻井さん？」
洗面所の扉をコンコンとノックしながら、Aちゃんが俺を呼んだ。
「あ、何？」
「ちょっと良いですか？開けても」
「えっ！？ちょ...っと待って...ね？」
肩に掛けてたバスタオルを急いで腰に巻き直す。
「いいよー」
俺が声を掛けると、ソロッと扉が開いた。
「部屋着、持って来ました」
「あ、ありがと！」
Aちゃんの手には綺麗に畳まれた例のパーカー。
Aちゃんが着てるのも、例のワンピース。
「あれ？これは？」
渡されたパーカーの下に、見覚えの無い男物のスウェットパンツ。
「櫻井さん用に買ったんです。必要でしょ？」
「...うんっ！必要！ちょー必要！」
嬉しいー！
俺がいつでも泊まれるようにしてくれてるー！
「あと、下着も一応ありますよ？」
「下着まで...？えー...嬉しい...」
俺、ちょっと泣いちゃいそう。
「櫻井さん？下着も持って来た方が良い？」
「ううん...下着は俺、持って来てる...」
なんか胸いっぱいでボソボソと答えた俺を見て、Aちゃんは大笑いする。
「アハハッ、準備してたんですね」
「ワイシャツも靴下も鞄に入ってる...」
「完璧じゃないですか！そーゆーつもりだったんですね」
「帰るつもり無いって言ったでしょ？」
でもAちゃんだって帰らせるつもり無いって言ったよね？...って、君を抱き締めながら囁く。
「私、櫻井さんが帰るって言っても意地でも帰しませんよ？覚悟できてますか？」
可愛い事、サラッと言うAちゃんに
返事の代わりにキスをした。
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=737d93b0b8e65d518115fdba3e25cc75...
作成日時：2013年12月12日 19時
