149.花屋の王子様。 ページ9
色とりどりの花や、瑞々しい緑でいっぱいの店内で『松本フラワーショップ』と描かれたエプロンですらお洒落アイテムに見せてしまう潤が笑う。
まるで少女漫画だな、と毎回思わせるコイツはある意味凄い。
「どうしたの、翔さん！珍しいね！」
「まだ大丈夫？」
「うん、大丈夫だけど...え？」
「...花...下さい」
潤の目がクリンと大きく開かれて、すぐにキュッと細くなった。
「一応、確認しとくけど。お母さんに、とか友達に、とかじゃないよね？」
「え？」
「好きな人に、って事で良いんだよね？」
シャッターを持ち上げて俺を中に入れてくれながら訊く。
俺は潤が支えてくれてるシャッターの下をスルリとくぐって店内に入った。
潤はそのままシャッターをまた半分まで下ろして、キョロキョロと花を見てる俺の隣に立つ。
「どんな花が良い？」
「いやぁ...全然分からないんだよねぇ...」
「あ、って言うかさ、何で花を贈りたいの？」
「あぁ、誕生日なんだ。今日」
今日？と、潤はハサミを手にしながら言う。
「うん...今日。本当はさ、今日は会うつもりじゃなかったんだけど...」
本当は、おめでとうって伝えるにしてもメールにしようと思ってたし、直接言うんだったら明日にしようと思ってた。
けど、今朝Aちゃんを見たら...やっぱり、今日直接おめでとうって伝えたくなった。
一回家に帰ってあのペンダントを持ってきて...って考えたけど。
よく考えたら、身に着ける物って何でもない異性から貰っても困らないかなぁ...と思って、迷ってしまった。
でも手ぶらもちょっとなぁ...と考えてたら、潤の事を思い出した。
智くんの個展にあった潤のアレンジを綺麗だと見てたAちゃん。
「花って、意外と非日常的なもんだからさ」
潤がカスミソウを手に取って、俺をチラッと見た。
「俺が彼女の誕生日を、素敵に演出しますよ」
形の良い口を開く。
「潤...ホント王子様」
「やめてよ、翔さん」
ケラケラ笑う潤を見て、少しずつ落ち着くような緊張が高まるような、不思議な気持ちになっていた。
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Nekomura(プロフ) - イロコイラインからとんできました。一気に読んじゃった！もう最高です！可愛いしょさんも、わちゃわちゃなにのあいもほんとに愛しすぎて、読み進めるのが勿体無いと思いつつ、一気に読んでしまいました(;^_^A素敵なお話、ありがとうございます！ (2016年6月21日 23時) (
レス) id: bc193ab9b8 (このIDを非表示/違反報告)
ムーナカ(プロフ) - もう何度目だろう…。何度読んでも好きだ…！コメ見てると同じ様に読み返してる人が多いみたいで、やっぱりいいよね！ペーパーアダルトな翔ちゃん！(と男子会！)とあらためて感じております。 (2015年8月17日 23時) (レス) id: 0c2c0c5cc4 (このIDを非表示/違反報告)
Mt.しゃどう(プロフ) - もちろん現在更新されてるお話も愛読させて頂いてます!reiさんのお話はいつも私の癒しです。これからも応援させて下さい!!長々と失礼しました("/△-") (2015年7月13日 21時) (レス) id: 4aeed11543 (このIDを非表示/違反報告)
Mt.しゃどう(プロフ) - 今reiさんのお話読み返しキャンペーンやってます！(←受験生なのに!課題終わってないのに!(笑))読みながら思うのは次の更新を楽しみに待ってたのはもう1年も前なのかと(/д`。。)完結した寂しさをまた感じてます(泣)でも、reiさんのお話は何度読んでもドキドキします！ (2015年7月13日 21時) (レス) id: 4aeed11543 (このIDを非表示/違反報告)
嵐love(プロフ) - 読みました。なんと今回で読むのは、２回目でした。久しぶりに読んだらこんなお話だったかなぁと思って最初は、読んでいました。けど読んでいくうちに段々思い出しました。私的には、二人の悪魔が大好きです。 (2015年5月24日 13時) (携帯から) (レス) id: 074d8cdebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2013年10月17日 10時
