147.考えて考えた。 ページ7
朝から悩んでいた。
正しくは、日付が変わった時からだ。
歯を磨きながら、考える。
新聞を読みながら、考える。
焼いたパンを食べながら、考える。
コーヒーを飲みながら、考える。
ニュースを見ながら、考える。
ジャケットに腕を通しながら、考える。
靴を履きながら、考える。
駐輪場でママチャリを出した時、考えるのがしんどくなった。
あー、誕生日おめでとうって、いつ言おう...。
明日会うんだから、明日かなぁ。
でも誕生日は今日だしなぁ。
メールで送ろうか。
考えたまま、ホームで向こう側のAちゃんといつものように会釈をし合う。
微笑むAちゃんが、スマホを出して何か操作してからまた俺を見た。
その瞬間、俺のスマホがポケットの中で短く震える。
チラッとAちゃんを見ると、スマホを軽く挙げた。
俺はポケットからスマホを出して、届いていたメールを開く。
『明日、どうしたら良いですか？』
あ、そうか。
何も決めてなかったな。
『じゃあ、車で迎えに行くから行きたい所考えといて』
送信してから、行き先くらい俺が考えとくべきだったか！と後悔した。
何で俺、何も考えてなかったんだろう...。
バカバカ！俺のバカ！
やっぱりレベル２だな！
俺が一人で自分を責めてると、返ってくるメール。
『了解しました』
まるで業務連絡。
つまんないからだ、俺が。
絶対つまんないって思われたよー...。
恐る恐るAちゃんを見ると、こっちを見てニコニコしてる。
「え...？」
続けて届くメール。
『行きたい所、考えときますね！
楽しみです』
業務連絡...じゃない。
もう一度、Aちゃんを見ると「行ってらっしゃい」と口が動く。
「えっ？あっ！」
気付くと、こっちのホームに電車が入ってきていた。
慌てて「行ってきます」と手を振って、俺は電車に乗り込んだ。
タイミング、逃したな。
おめでとう、って、メール出来なかった。
だけど。
俺はさっき届いた、ハートも付いてないメールを開いて、周りにバレないように小さく笑った。
そして、１つだけ、決心をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nekomura(プロフ) - イロコイラインからとんできました。一気に読んじゃった！もう最高です！可愛いしょさんも、わちゃわちゃなにのあいもほんとに愛しすぎて、読み進めるのが勿体無いと思いつつ、一気に読んでしまいました(;^_^A素敵なお話、ありがとうございます！ (2016年6月21日 23時) (
レス) id: bc193ab9b8 (このIDを非表示/違反報告)
ムーナカ(プロフ) - もう何度目だろう…。何度読んでも好きだ…！コメ見てると同じ様に読み返してる人が多いみたいで、やっぱりいいよね！ペーパーアダルトな翔ちゃん！(と男子会！)とあらためて感じております。 (2015年8月17日 23時) (レス) id: 0c2c0c5cc4 (このIDを非表示/違反報告)
Mt.しゃどう(プロフ) - もちろん現在更新されてるお話も愛読させて頂いてます!reiさんのお話はいつも私の癒しです。これからも応援させて下さい!!長々と失礼しました("/△-") (2015年7月13日 21時) (レス) id: 4aeed11543 (このIDを非表示/違反報告)
Mt.しゃどう(プロフ) - 今reiさんのお話読み返しキャンペーンやってます！(←受験生なのに!課題終わってないのに!(笑))読みながら思うのは次の更新を楽しみに待ってたのはもう1年も前なのかと(/д`。。)完結した寂しさをまた感じてます(泣)でも、reiさんのお話は何度読んでもドキドキします！ (2015年7月13日 21時) (レス) id: 4aeed11543 (このIDを非表示/違反報告)
嵐love(プロフ) - 読みました。なんと今回で読むのは、２回目でした。久しぶりに読んだらこんなお話だったかなぁと思って最初は、読んでいました。けど読んでいくうちに段々思い出しました。私的には、二人の悪魔が大好きです。 (2015年5月24日 13時) (携帯から) (レス) id: 074d8cdebf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2013年10月17日 10時
