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■case２■
翔ちゃんの結婚式の二次会。
Aが、オレとお揃いのあの靴を履いて来た。
いやいや、狙ってた。
履いて来んじゃねぇかなー？って思ってた。
だけど本当に履いてるの見て、ちょっと焦った。
突然、心臓が心構えを始めたのかバクバクしてる。
今日、キメなきゃ。オレ！頑張れ！
とりあえず、落ち着く為に一服でもしようとテラスに出ると
「ニーノッ！」
ほろ酔い相葉が一緒に出て来た。
「俺も一服！」
「ワタヌキちゃん、放置してて良いの？」
「それはニノもでしょ？センパイちゃんがナンパでもされたらどうすんのー？」
「ダイジョブ。潤くんがあの眼力で見張ってくれてるから」
「...確かに！」
チラリと二人で店の中を覗くと、潤くんの周りに嫁、ワタヌキちゃん、フジコ、Aが座ってて、眼力王のまるでハーレム。
あ、大野さん？
あの人はジャケット脱いでソファに埋もれるようにフジコの隣に座ってビール飲んで、女子達と一体化しちゃってる。
「ねぇ、ニノ」
「何よ」
相葉さんが、フゥっと煙を空に吐き出してオレの足元を指差した。
「お揃い、ラブいね！」
「さっきはスルーしたくせに」
「だってセンパイちゃん、そんなコト言われたら恥ずかしいかなー？と思って」
「だろーなーと思った」
何だかんだで、接客業のプロだ。
コイツって、思った以上に空気読む。
「あ...ちょっと確認しておきたいコトあんだけど..」
「ん？何？」
「お前、今でも言ってる？靴買う人に...ほら、あのキザなヤツ...」
何か妙に照れ臭くて、持ってた煙草をすぐに唇に挟んだ。
「あぁ！『素敵な未来に連れてってくれるんだよ』ってヤツ？」
「...おぅ...それそれ」
「言ってるよ！センパイちゃんにも言った！」
「へ...へー。まだ言ってんだ。ンフフ。何なの、相葉さんって妙にキザだよね」
「え？ニノには、負けるけど...まさか自覚無いの？」
「...え？」
・
オレの大好きな場所。
キリンの並ぶ海。
誰かが悩んでる時、連れて来てやってた。
だけど、Aはまだ連れて来てなかった。
これ、最高のタイミングで連れて来れたかもしんない！
「おんなじ未来に歩いて行ける？」
『同じ未来』なんてさ、もう結婚しようってコトじゃんね。
気持ち盛り上がってキスしたら、何か妙に恥ずかしくなってフザけたのがいけなかった。
伝わってない...。失敗。
しかも終電無くなった。
よし。
とりあえず、ラブなホテルへGO！
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2015年3月24日 14時
