明日の天気の話をしよう 7th【ars】 (ページ2)

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212.ロッカールーム。ページ2

聞かなかった事に、とか言ったくせに

何なの、あれは。

「会えた」とか、あんな笑顔で言われたら

ちょっとドキッと...いや、結構ドキドキッとしてしまうのは、まぁ...女子ならしょーがないと思う。

そう、しょーがない。
しょーがないんだよ、しょーがない。
私はおかしくない。

そうだよ。しょーがないしょーがない、と思いつつ桜に着くと

「あ。おはよー、Aちゃん」

休憩終わりなのか、奥からシャツの裾をパンツに入れながら歩いて来る相葉くん。

頭のてっぺんの髪がピョコンと立ってる。

「おはよー。相葉くん、寝てたでしょ」
「えー？フフッ、うん。何で分かったの？」
「寝癖、寝癖」

相葉くんの頭をギュッと押さえて、立ってた髪を寝かせると彼がアハッて笑った。

「あっ...おはようございます」

その声に振り返ると、ミワちゃんがペコリと頭を下げてる。

「おはよー、ミワちゃん。今から？」
「はい、今日はディナーです」

寝癖も落ち着いた相葉くんが、ベストのボタンを閉めながら「ミワちゃん、おはよ！」って声を掛ける。

「お...おはようございます...！」
「夜も張り切って行こうねー！」

ポンッとミワちゃんの肩を叩いて、相葉くんはレジへ向かった。

「さーてと、ミワちゃん。私たちも着替えよっか」
「えっ！？あっ...」

相葉くんが歩いてった方を見てたミワちゃんが、慌てたように振り返る。

「ん？どしたの？」
「あっ...えっ、何でも無いです、着替えましょう！」

エヘヘッ、と笑って彼女はロッカーのあるバックヤードへ走って行った。

私もその後を追ってロッカーに入って着替えを始める。

「あのー...Aさん」
「ん？」
「相葉さんとAさんって...仲良しですね！」
「え？あー、どっちかと言えば仲良いかも」

相葉くんとは色々あったけど、今の私が一番頼ってる人なのは間違い無いし。
ノリも合うし、趣味も合う。

「彼氏...とかですか？」
「アハハッ！彼氏じゃないよー、友達！」
「そうなんですか！？あ...そうなんだ...」

ミワちゃんは独り言みたいに「そっかそっか...」って呟いてる。

「あれ...？もしかして、ミワちゃん...」
「えっ！？」
「フフッ。相葉くん、今彼女居ないはずだよ？」
「えぇっ！？私はっ...そーゆーんじゃ無くて...」
「無くて？」
「...ただ格好良いなぁ...って...あっ！でも別にっ！えっと...」

真っ赤になったミワちゃんが、「何でも無いです...！」ってフルフルと首を振った。