明日の天気の話をしよう 6th【ars】 (ページ17)

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192.行き先。ページ17

カウンターの中に居た智さんが、マイナスイオン大放出しながら笑う。

「あー、相葉ちゃんだ！どこの男前が来たのかと思ったよぉ」
「どうも。最近オトナのオトコの色気が出て来たと評判のマサキです」
「フフッ、さっき『おひさしブリーフ』とか言ってた子が何言ってんの」

智さんに妙に大人の余裕を感じる。

「Aちゃんも久し振り」
「はい！お久し振りです」
「さ、二人とも座って」

いつものように、カウンターに並んで座って私はラーメンと鮭おにぎり、相葉くんはラーメン大盛りとチャーハンを頼む。

相変わらず、のんびりしてる雰囲気なのに手際の良い智さんの手元を眺めてたら隣で相葉くんはスーツのジャケットを脱いでネクタイを緩めてた。
確かにそーゆー仕草を見ると、大人の色気ってのがあるかもしれない...

「腹減ったなー！おなかペッコリーナ！」
「あー...台無しだね」
「え？何が？」
「ううん！相葉くんはそれで良いと思う」
「なになに何がー？」

私の顔を覗き込みながら楽しそうに笑う顔は、やっぱり見た目は大人・中身は子供。

「あ、ねぇ。相葉くん、桜には今度いつ来るの？」
「んーっと...来週は出張で研修だからー...」
「出張？」
「......あっ！いや...えっとー...」

あからさまにアタフタし出した。

「出張って、どこに？」
「あー......、桜の別店舗、なんだけどね...」

私と目を合わせずに、智さんの方を見てる。

「さては大阪だ」
「えっ！？何で！？」
「だって、出張って事は遠くでしょ？遠くにある店舗なんて、大阪しか無いもん」
「......うん」
「フフッ、何で相葉くんがそんなに気まずそうにするの？」
「何となく...聞きたくないかなって思ったから...大阪って言葉も、さ」

お水をグイっと飲み干した相葉くんが「おーちゃん、おかわり！」って言うと、「どうぞ」って智さんが私達の前にデカンタを置いた。

「大丈夫だよ、そんな気にしなくって」
「...ホント...？」
「もしかしてさ、櫻井さんちに泊まったりするの？」
「うん。一応、その予定なんだけどね」
「良いなぁ」
「翔ちゃんのおオパンツ情報、いる？」
「うん。貰う」

真顔で応えた私を見て、相葉くんが大笑い。

「Aちゃんって、何か気持ち良い」
「え...やだ...私をそんな目で見てたの...？」
「えっ！？ちっがうよ！そうじゃなくって！」
「そこまで力いっぱい否定するのは失礼じゃない？」

笑ってる私達の前に、ラーメンが置かれた。