34.ちょっと嘘。 ページ34
息が整わない私を見て、二宮くんがククッて笑う。
何か、クロも私を笑ったよーな気がしてしまう。
「A、走るの苦手？」
「苦手...って訳じゃないんだけど...」
走ったのが久々過ぎて。
高校卒業すると、運動する機会はグッと減るもんだ。
体育って凄い。
あれが週に二回、あるのと無いのとでは全然違う。
「あー...朝っぱらから走ったからまた眠くなっちった」
ふわぁ、とあくびをしながら二宮くんがなかなか降りてこないエレベーターのボタンをタンタンッと叩いた。
「あ...そう言えば二宮くんって、四年生だよね」
「うん」
「学校、行ってるんだね。相葉くんは、単位取ってるからってもーほとんど学校行ってないみたいだけど...」
「フハッ！単位くらい、オレもとっくに取ってるわ」
バカにすんなぃ！と、フザけて二宮くんが言った時、やっとエレベーターがやって来て
中から出て来た住人のおじさんに「おはよーございます！」って彼は天使みたいに微笑んで頭を下げた。
毒吐いてる時と別人みたい。
エレベーターに乗り込むと、二階と五階のボタンを押してくれる。
クロが退屈して来たのか、フゥンと小さく鳴いた。
「そう言えば...雅紀、元気？」
「え？うん、元気有り余ってるくらいに元気だけど...あれ？相葉くん、こないだ二宮くんちに行かなかった？」
「あーまぁ来てたけど...元気なら良いや」
まーな、アイツは元気だよな！って、二宮くんが笑うと同時に二階に着く。
「じゃーねー」
「あ、うん。バイバイ」
エレベーターを降りて、二宮くんに手を振ったら
彼はクロの手を持って、その手を小さく振ってた。
やられるがままのクロが、すっごい可愛くて「ひぃー！可愛いー！クロー！」って叫ぶと
「ウッハハハ！A、うっせ！」
エレベーターの扉が閉まるまで、二宮くんの高らかな笑い声が響き渡った。
・
朝から何か疲れた。
疲れたのに、これから仕事が始まる。
「おはよーございまーす...」
「おはよ」
「あっ！おはよーございます！」
「何か疲れてんね、A」
フラフラと桜に入ると、レジカウンターの中に櫻井さんが居た。
「...あ...朝からバタバタしちゃって...」
「ん？寝坊かー？」
いや、そーじゃないんですけど...って言おうとしたら、カウンターの中から櫻井さんが出て来て
「夜更かししてんだろー？早く寝ろよー？」
なんて、私の頭をポンポンって撫でたから
昨日は早く寝たけど「はい...」って、頷いた。
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まめなり(プロフ) - 図々しいかもしれませんが続編を検討していただけると何よりも嬉しいです。最後までお読み頂きありがとうございました。長文失礼いたしました。 (2017年7月18日 10時) (
レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - 最後Nくんは実家に帰ったのかなぁとかAくんとあの子はどうなったのかなぁとかOくんはあの子とどうなったのかなぁとかSくん結婚しないかなぁとかMくんもあの子とどうなったのかなぁとか。そして何より1番気になるのは主人公のカフェはどうなったのかなぁと。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - が好きです。ロマドーの雰囲気もそこで暮らしている人々も。(個人的には最後結ばれるのが担当様だったのも嬉しかったです笑) 今まで色々reiさんのお話を読ませて貰っていましたが、このロマドーも相変わらず素敵なお話だと思いました。そこで続編のお願いを…笑。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - こんにちは！どこに書けばいいのかわからなかったのでココに。私はロマドーの2章が始まったくらいで受験勉強のために占ツクから離れた者です。受験も終わり久々に占ツクを訪ねてみるとロマドーが完結していて思わず読んでしまいました。率直に言ってホントにロマドー (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いきなりすいません！君の名は。って話ありますね笑 (2016年10月27日 14時) (レス) id: 55ecfc4463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2015年1月27日 19時
