7.麺屋。 ページ7
ロマンス大通りをラーメン屋さんに向かって相葉さんと歩く。
色々と話してくれる彼の簡単な素性は、すぐに知る事が出来た。
21歳で大学四年生なりたて。
子供の頃からこの町に住んでる。
店では高1の頃からバイトしてて、もう七年目。
基本はホールだけど、厨房にも人が足りなかったら入ってるらしい。
「凄い。エースですね！」
「でしょー？意外とね、俺出来る子なんだよ？」
フフン、って笑うと目尻に皺が寄る。
「そんな出来る子だから、このまま就職してーって言われてんの」
「あっ！」
「え？」
「それ...危険ですよ...私、それで就職無くなりましたから...」
クッソー...あの社長、マジでトイレで紙無くなれ！自動ドアに挟まれろ！
「そうなの？」
「...人は裏切るんですよねー...」
「そっかー...よし！話聞いたげる！ラーメン食って元気出してこ！」
相葉さんは「もうすぐ着くよー」って、私の肩をポンと叩いた。
「ここ！」
こぢんまりしてるけど上品な雰囲気のお店を、相葉さんが指差す。
そこに『麺屋 三十四』と掲げられてるのは、看板と言うよりは表札サイズの木の板。
「麺屋...さんじゅうよん...？」
「それね、読み方違うんだよ。おーちゃん、来たよー！」
ガラガラと引き戸を開けて、相葉さんが中に入って行く。
私も「こんにちはー...」と、店内に入った。
カウンターだけのお店
「いらっしゃい」って声。
「おーちゃん、この子ね、明日からうちで働くの」
「へぇ、そうなんだ」
カウンターの中の「おーちゃん」と呼ばれてるその人が、私を見る。
「初めましてぇ」
「あ...初めまして」
相葉さんが「座ろっか」って、突っ立ってる私の手を軽く引いた。
カウンターに並んで座って、ラーメンを頼む。
相葉さんはチャーハン付きで。
「あの、相葉さん」
「くんで良いよ」
「あ...じゃあ相葉くん」
「うん、何？」
ラーメンが出来上がるのを待ちながら、相葉くんと話す。
「お店の名前、あれ何て読むんですか？」
「あー、あれ？それはおーちゃんに名前訊けば分かるよ！」
そう言われて、私はラーメン調理中の彼に「お名前教えて頂けますか？」って声を掛けてみた。
「おれ？大野智」
「さとし...あっ！」
三十四、って。あーそうか。
「フフッ、気付いた？」
「気付いた！」
お待ちどうさま！ってラーメンを置いてくれた智さんに
「さとし、って読むですね！このお店の名前」と言うと
彼はニコっと笑って、頷いた。
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まめなり(プロフ) - 図々しいかもしれませんが続編を検討していただけると何よりも嬉しいです。最後までお読み頂きありがとうございました。長文失礼いたしました。 (2017年7月18日 10時) (
レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - 最後Nくんは実家に帰ったのかなぁとかAくんとあの子はどうなったのかなぁとかOくんはあの子とどうなったのかなぁとかSくん結婚しないかなぁとかMくんもあの子とどうなったのかなぁとか。そして何より1番気になるのは主人公のカフェはどうなったのかなぁと。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - が好きです。ロマドーの雰囲気もそこで暮らしている人々も。(個人的には最後結ばれるのが担当様だったのも嬉しかったです笑) 今まで色々reiさんのお話を読ませて貰っていましたが、このロマドーも相変わらず素敵なお話だと思いました。そこで続編のお願いを…笑。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - こんにちは！どこに書けばいいのかわからなかったのでココに。私はロマドーの2章が始まったくらいで受験勉強のために占ツクから離れた者です。受験も終わり久々に占ツクを訪ねてみるとロマドーが完結していて思わず読んでしまいました。率直に言ってホントにロマドー (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いきなりすいません！君の名は。って話ありますね笑 (2016年10月27日 14時) (レス) id: 55ecfc4463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2015年1月27日 19時
