八十六 ページ36
ドカーン!!!!
そんな爆発擬音の代表が聞こえた瞬間、電車の明かりは全て消える。ことの自体にざわつき始める隊士たちと反面完全に冷静な私。あの音が聞こえたということは近藤さんは救出されたのだろう。___心配なんて余計なお世話だったみたい。
暫くして隊士の一人が扉が開かねえ!と叫ぶ。
場は整った。
『局中法度第二十一条!!』
叫ぶようにして出した声にその場の全員が振り返る。私の口にした言葉を察した奴らが刀を抜いた。
『ーーー敵と内通せし者これを罰する。分かってるよな?これアンタらのことだよ』
「Aさんアンタやっぱり土方派」
「先生のこと騙したんだな!」
『土方派でも伊東派でもねーよ』
マヨラーにもあのキザ野郎にも私はついてきた覚えなんて微塵もないし、今後もついていくつもりなんかない。私がついていくと決めた人はただ一人。
『私は近藤さん派、あの人を裏切った事そして局中法度に基づきアンタらは粛清対象だ!!』
思い切り床を蹴り隊士達の懐へ入り込みその腹を掻っ捌いていく。降りかかる赤を拭ってる時間なんてない。横から迫る殺気にもう一本、使いたくなかったがあのクソ野郎にもらった桜雨を抜きソイツを斬り捨てた。
独特の鉄の臭いが車内を覆う。今迄何度もこういうとこに立ってきたがやはり好きではないと気が少し他に飛んだとき左腕を斬られた。
痛みで我に返りそいつを斬る、踏み込んできた隊士どもの急所を一発で仕留める。
「やっぱAさんには勝てねーって!」
「でも女だ!纏めて行きゃ勝てる筈だ」
『こちとら命捨てる覚悟できてんだ!舐めてもらっちゃ困る!』
無駄口を叩く奴らに容赦なく刀を向ければ赤が噴き出した。モロに浴びた所為で背後に迫る殺気に反応が遅れた。
__やられる…!
咄嗟に目を瞑るが一向に痛みが襲ってこない。目を開けばそこには最近よく見慣れた黒髪。
97人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翡翠 | 作成日時:2018年9月30日 9時