六十四 ページ14
『よく首取れると思ったな、ばーか』
神楽ちゃんに腕を拘束され動けない男の目の前に剣先を突きつける。残党の中でそれなりに良い身なりをしているとこを見てこの浪士達を動かしたのはコイツと見て間違いないだろう。
倒れた浪士達は立ち上がる事が出来ないくらいボロボロになっていた。全員に息があるのを確認してから目線を戻す。
「フッ…とんだ誤算だった」
『だろーね、この子達強いから』
男の腹にグーを入れ込めば体から力が抜けガクッと項垂れた。気絶したことを確認し、神楽ちゃんに離していいことを伝える。支えをなくした男はドタンッと大きな音を立てて地面へと倒れた。
ポケットから携帯を取り出し電話をかける。コール音が鳴る前にそれは切れ怒鳴り声へと変わる。
【Aてめェ何してやがる!!!】
『煩いなぁ。なーんで怒鳴られなきゃいけないの、こっちは攘夷浪士逮捕したってのに』
【そりゃてめェが!……あ?逮捕しただ?】
『そー。なんか襲われたからぶん殴って気絶させて手錠かけた』
【…場所は何処だ】
『かぶき町外れの公園』
舌打ちの後すぐ行くと言われ電話は切られた。
ふぅと一息吐き浪士達を見下ろせば新八くんが最後の一人に手錠を掛け終えたところだった。…が、朱髪の姿が見当たらない。辺りを見渡せば見慣れた栗毛と睨み合っていた。
「A、このガキどーにかしろィ」
「てめェもガキだロ!?つかなんでいんだヨ‼帰れヨ‼」
「俺の休憩場所荒らした癖に何言ってんでィ。てめーが帰れ」
『…アンタ傍観してたの?』
「ヒーローは遅れてやってくるものでさァ」
『最もらしいこと言ってるけどヒーローの登場おせーからな!?』
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年9月30日 9時