六十三 ページ13
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「随分と長居しちゃいましたね」
「久しぶりだったからナ。時間すぎるのも早いアル」
「Aさんご馳走様でした」
「Aありがとアル、今度は遊ぶヨロシ」
『此方こそ。付き合ってくれてありがとう』
団子屋を出て来た道を戻りながらたわいもない会話をする。
なんてことなく道を歩いているけど背後に殺気を感じている。二人もそれに気づいたようで、その表情はどこか固い。今すぐ刀を抜いて叩っ斬りたい所だが、かぶき町の真ん中だ。下手なことして一般市民を巻き込みたくないしなんか破損するのもやだし、何より始末書とか勘弁だし。
何処かないかと思っていれば神楽ちゃんが寄りたいとこがあると。それに頷いてついていけば人気のない公園へと辿り着く。
足を止めれば待っていたかのように浪士達がぞろぞろと出てきて私たちの周りをぐるりと囲んだ。帯刀をしていて制服は着ていないってことは確実に敵。
「真選組副長補佐、水瀬A殿とお見受けする」
「…お前ら、私のAに何の用ネ」
「昨日の件忘れたとは言わせないぞ」
___昨日。私には思い当たることが一つだけあった。
リハビリにしようとしていた粛清、多分それの残党だろう。どうやら仕返しにきたといったところか。全く逆恨みもいいところだ。
「大人しくその首置いてってもらおうか」
『簡単にやるわけないだろ、クソ野郎どもが』
「Aさん助太刀します」
「かぶき町の女王がいるアル、安心するネ」
構えた二人を見て笑みが零れた。どうやら助けてくれるらしい。
柄に手をかけ目の前の男達を睨んだ。
『御用改めである、クソ野郎ども。銃刀法違反の容疑で逮捕する、神妙にお縄につきやがれ!!』
それを合図に地面を蹴った。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年9月30日 9時