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ダ｢ここはのう、A。バドリー・ババートンという魅力的な村じゃ｣
魅力と言うが、残念ながらその魅力を私は一切として感じることが出来ない。
『ここで何をするのですか？』
ダ｢おう、そうじゃ、君達にまだ話してなかったのう。さて、近年何度これと同じことを言うたか、数えきれぬほどじゃが、またしても、先生が一人足りないのじゃ。
ここに来たのは、私の古い同僚を引退生活から引っぱり出し、ホグワーツに戻るよう説得するためじゃ｣
ハ｢それにしても、先生、僕らがなんの役に立つのですか？｣
｢それは、今にでも分かるはずじゃ｣と、ダンブルドアは曖昧な言い方をして濁す。
ダ｢ここを左じゃよ｣
私達は、両側に家の立ち並んだ狭い急な坂を登り始める。窓という窓は全部暗くなっていた。そして、ここ二週間、スリザリン邸を覆っていた奇妙な冷気が、この村にも流れているのを肌で感じる。
ディメンターが後ろにいやしないかと、ハリーは少し進んでは後ろをちらりと覗いていた。
しかし、後ろを見たところでいるかどうかの区別がつかない。なんたって宵闇にきっとディメンターが同化してるだろうから。
ハ｢先生、どうしてその古い同僚の方の家に、直接姿現わしなさらなかったのですか？｣
「それはの、玄関の戸を蹴破るのと同じくらい失礼なことだからじゃ」と、ダンブルドアが言う。
それにハリーがジロリと冗談ぽく私の方を見て、私は頭を掻きながら苦笑いをうかべる。
ダ｢入室を拒む機会を与えることが、我々魔法使いの間では礼儀というものでな｣
ハ｢先生、Aは、今さっき玄関の戸を蹴破るのと同じくらいなことをしました｣
ハリーは、ケラケラと笑いながら、そんなことを口にするものだから、私は急いで言う。
『いやいやいや、ああしなきゃ家に入れてくれなかったんだから』
少し目を細めて、告げ口したハリーを睨む。その光景に、ダンブルドアは笑った。
ダ｢時として、そういうことも必要じゃ｣
『ほら』という目で、ハリーを見る。そして私とハリーは、目配せをして豆のように弾けて笑う。
長い夜の中、コツコツと足の音が響く。そこは暗闇の筈なのに何故か心地が良くて、心が浮かれ始めると同時に何かがそれを制する。
ハ｢先生、梟が魔法省の小冊子を届けて来ました。"死喰い人"に対して我々がどういう安全措置を取るべきかについての────｣
その言葉に久しく指や体が緊張で溶け落ちていく感じに襲われた。
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2021年3月22日 20時
