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広場の真ん中に古ぼけた戦争記念碑が建っていて、ベンチがいくつか置かれているのが分かる。
遅ればせながら、理解が感覚に追いついて来る。視界がはっきりと夜の暗さに慣れていった。
ダ｢大丈夫かな？｣
ダンブルドアが気遣わしげに私とハリーの顔を覗き込む。また、ダンブルドアと目が合う。彼はまた顔を少しばかり歪めた。
ダ｢この感覚には慣れが必要でのう｣
｢大丈夫です｣と、ハリー共に私は答えた。私は耳を擦る。なんだか耳が、プリベット通りを離れるのをかなり渋ったかのような感覚がした。
ハ｢でも、僕。箒の方がずっといいです｣
その言葉に朗らかな笑みを浮かべ、ダンブルドアも微笑みながら、行く先を示す。
ダ｢こっちじゃ｣
ダンブルドアは活気のある歩き方で、空っぽの旅籠や何軒かの家を通り過ぎる。近くの教会まで来た頃には、時計が真夜中を指していた。
ダ｢ところで、ハリー、A、近頃傷痕は痛むかな？｣
私は思わず、かきあげられた前髪を触った後、額の稲妻形の傷痕を摩る。
ハ｢いいえ、でも、それがおかしいと思っていたんです。ヴォルデモートが再び力を取り戻したのだから、しょっちゅう焼けるように痛むだろうと思っていました｣
隣で歩くハリーが、私の答えを催促するようにちらりと私を横目で見つめる。私は少し夜空を見上げて、思いを巡らせてから答えた。
『いいえ、痛みません』
少々時には、嘘をつくことが必要だ。確かに会合の時は、ヒリヒリと痛んだのだがここは嘘をつくべきと思う。
するとちらりとダンブルドアのキラキラとした目が薄目で私を見たが私は狡猾な笑みを浮かべて見せた。
きっとダンブルドアなら、この嘘を見破ってくれる。
ダ｢どうやら、ヴォルデモート卿は、君達に閉心術を使っているようじゃ。ヴォルデモート卿はやっと、それが危険だということに気づいたのじゃ｣
ハ｢それなら、僕は文句はありません｣
心を掻き乱される夢を見なくなったことも、ヴォルデモートの心を覗き見てぎくりとするような場面がなくなったことも、惜しいとは思わないような感じだった。
そりゃ、あんな夢で心を掻き乱されるのは、真っ平御免だからな。
私達は角を曲がり、電話ボックスとバス停を通り過ぎる。私は以前と夜空をチラチラと見上げながら沈黙を破る。
『先生？』
ダ｢なんじゃね？｣
『────ここは、一体どこですか？』
その質問にダンブルドアは、また微笑みを浮かべる。
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2021年3月22日 20時
