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ダ｢そうじゃ｣
ダンブルドアは、決して私とハリーになぜ打ち明けなかったのかとは聞かなかった。それはどこか心を和ませる。
ダ｢問題は──── シリウスが、グリモールド・プレイス十二番地をAに遺したことじゃ。ハリー、君にも遺したかもしれん｣
「屋敷を相続しただと？」と、バーノン伯父さんが小さい目を細くして意地汚く呟く。しかし、誰も答えない。
『本部として使ってください。私は────どうにも、あそこの居心地がいいものだとは思えないので』
その言葉は、単調な響きで無感情なものだったと思う。グルグルと私の心を表すようにトムが服の上と上着の下で這う。
隣のハリーも少なからず、顔を頷かせていた。
出来れば、今のところグリモールド・プレイス十二番地を見たくない。
シリウスは、あそこを離れようとして必死だったのだ。それなのに、あの館に閉じ籠められて、かび臭くて暗い部屋をたった1人で俳徊していたのだ。
それがどんなに辛いことなのか、知っている私とハリーにとって心を苦しめる。
そして、そんなシリウスの記憶に一生付き纏われるだろう。
ダ｢それは、気前のよいことじゃ。しかしながら、我々は一時的にあの建物から退去した｣
ハ｢何故ですか？｣
「そうじゃな」と言ったダンブルドアは、しつこい蜂蜜酒のグラスに、頭を小突かれてなにかを呟いているバーノン伯父さんを無視する。
ダ｢ブラック家の伝統で、あの屋敷は代々、ブラックの姓を持つ直系の男子に引き継がれる決まりになっておった。
シリウスは、その系譜の最後の者じゃった。 弟のレギュラスが先に亡くなったので、2人ともとも子どもがおらなかったからのう。
遺言で、シリウスはあの家をAに所有して欲しいということは明白になったが。
それでも、あの屋敷に何らかの呪文や呪いがかけられていて、ブラック家の純血の者以外は、何びとも所有できないということになっている可能性があり得るのじゃ｣
一瞬、生々しい光景が心をよぎる。グリモールド・プレイス十二番地の玄関ホールに懸かっていたシリウスの母親の肖像画が、叫んだり怒りの唸り声を上げたりする様子を。
『きっと、そうなってますね』
ダ｢誠に────もし、そのような呪文がかけられておれば、あの屋敷の所有権は、生存しているシリウスの親族の中でもっとも年長の者に移る可能性が高いことになる。
つまり、従姉のベラトリックス・レストレンジということじゃ
しかしながら────｣
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2021年3月22日 20時
