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『人のせいにするんだ？大体私が遅れたら大変なことになる』
いつにも増して、ポーチの中にスリザリン邸のありったけの本を詰め込む。
読みたい本がまだまだ沢山残っているものだから、ドビーにも手伝ってもらう。
ドビ｢ここに入れればいいのですか？｣
キーキーと金切り声のような音を喉から出すドビーに私は、頷く。まだ未成年の為、外で使えないのは少しばかり不便だ。
あるだけの魔法薬と何やら役に立ちそうな道具を詰め込む。
トム｢あと残り時間は数分ってところかな｣
その声は、まるでもう行くのを諦めなよと言ってるように聞こえる。
『ギリギリ間に合うかな』
トムに向けての嫌味をいえば、彼はあからさまに嫌悪感を示して目を細めた。私もそれに対抗するように冗談めかしく睨む。
ドビ｢A･ブラック様！できたのです！｣
ドビーは、優しく微笑むその姿に心から癒されたような気になり、ドビーの目線までしゃがみこむ。
『きっともう当分は、戻って来れないと思うから────その間は好きにしてなさい。ここにいてもいいし、自分が行きたいところに行ってもいい。どちらにしろ、ドビー。君の帰る場所は此処なのだから』
久しぶりの心の底からの笑顔が出るとドビーは、うるうると目を輝かせて、今にも大きな瞳から1粒の涙が出るように思えた。
ドビ｢ドビーは、ここが私の居場所になってくれて嬉しいのです！ドビーめは、A･ブラックの役に立つのです！｣
誇らしげに私の顔を見上げるドビーに私も口角を自然とあげていた。
トム｢もう時間が無いよ｣
行かしたくないくせに、そういうところは急かすトムに呆れたように笑いかけながら、ドビーに別れを告げて、刻々と広がる闇の中で私とトムは姿晦ましをする。
足が着いたかと思えば、かなりバランスの悪いところに着いたようでバタバタと大きな音を立てて、私と私のトランクや鳥籠が雪崩を起こしながら倒れる。
かく言うトムは、黒猫になり、見事なバランスをとり私の目の前で誇らしげに着地を披露する。
『君ってやっぱり、嫌な奴────』
ハ｢A！｣
ハリーは、驚いたように目を大きく見開き、私が立ち上がるのを素早く助けては、トランクや怒り狂っている鳥籠を持ち上げる。
ハ｢なんで、君が？｣
困惑したハリーは、目を不自然なほどキョロキョロとして何が起こっているかを理解しようとしていた。
『いやいや、ダンブルドアがここに来るようにってね。ハリーも手紙は貰っただろう？』
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2021年3月22日 20時
