額に傷を持つ2人～謎のプリンス～起①～ハリー･ポッター (ページ26)

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新聞に、派手な大見出しが見えていた。

ハリー･ポッターとA･スリザリン

選ばれし者?

最近、魔法省で名前を言ってはいけないあの人が再び目撃されたという不可解な騒動について、未だに風評が飛び交っているのである。

「我々は、何も話してはいけないことになっている。何も聞かないでくれ」と、忘却術師の一人は、昨夜魔法省を出る際に、名前を明かすことを拒んだ上で動揺した様子でこのように語った。

しかしながら、魔法省内のさる高官筋から、伝説の"予言の間"が騒動の中心となった現場だというこを確認した。

魔法省の報道官はこれまで、そのような場所の存在を認めることさえ拒否してきたのであるが。

魔法界では、家屋侵入と窃盗未遂の罪で現在アズカバンに服役中の死喰い人達が、予言を盗もうとしたのではないか、と考える魔法使いが増えているのである。

問題の予言がどのようなものかは知られていないが、死の呪文を受けて生き残った唯一の人物達であり、さらに問題の夜に魔法省に居たことが知られている、ハリー・ポッターとA･スリザリンに関するものではないかと推測されているのである。

一部の魔法使いの間では、ポッターとスリザリンが"選ばれし者"と呼ばれ、予言が名前を言ってはいけないあの人を排除できるただ2人の者として、そのポッターとスリザリンを名指ししたのだと考えられているのである。

問題の予言の現在の所在は、ただし予言が存在するとしてのことではあるが、その行方は不明である。

しかし────

やはり曇天の空の光が差し込む中で、またもう1つの新聞が風に揺れてペラペラと動く。

大見出しはこうなっている。

スクリムジョール、ファッジの後任へ

一面の大部分は、一枚の大きなモノクロ写真で占められていた。ふさふさしたライオンの鬣のような髪の毛に、傷だらけの顔の男の人の写真。

写真は動き、その男が天井に向かって手を振るのだった。

魔法法執行部、闇祓い局の元局長、ルーファス・スクリムジョールが、コーネリウス・ファッジのあとを受けて魔法省大臣に就任。

魔法界は、大筋この任命を歓迎しているが、就任の数時間後には、この新大臣とウィゼンガモット法廷・主席魔法戦士として復帰したアルバス・ダンブルドアとの間の亀裂の噂が浮上したのである。

スクリムジョールの次官は、スクリムジョールが魔法省大臣就任直後、ダンブルドアと会見したことを認めた