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ス｢あの方が会合に来るようにとな｣
スネイプは、さも面倒くさそうに私を見下ろした。その瞳の奥に憎悪が眠っている。
そしてそのスネイプの言葉に私の中で少し緊張が走る。会合に……
スネイプは、何も言うことなく会合の場所が書いてあるだろう手紙を差し出し、それを重々しく受け取る。
ス｢時々ここに来る、ダンブルドアに言われてるのでな｣
声を出さずとも、私は、嫌だと言いたげな顔をするとスネイプもそれに対抗するように眉間のシワを少し寄せた。
ス｢貴様の保護者役が心配なのでな｣
｢それって、僕のこと？｣と、蛇のようなそして少し温かみを加えたような笑みで何を考えているのかわからないように言う。
ス｢ああ、そうだが｣
トム｢僕がAの保護者役？｣
トムは、堪らず面白いことを聞いたかのように、口元を手で隠して微笑する。
『余計なお世話ですよ。自分のことは、自分でします』
少し機嫌を悪くして不貞腐れた声を出すと、スネイプがニタニタ笑いを浮かべた。
ス｢ならば、その焦燥と自己嫌悪をどうにかすることだな｣
表情はうかがい知れなかった。試しているようにも見えれば、ただ思いつきを零しただけのようにも見える。
さすがは閉心術の達人だ、なんてわざと関係の無いことを思い起こした。
そうしなければ、また鏡の中の"私"が真理をついて来そうな気がしてくるのだから。
『さぁ、どうでしょうね』
どちらともつかない無感情な言葉を吐くと、スネイプは返事を聞くや否や姿晦ましで姿を消す。
手紙を開き、会合場所を見つめる。
『マルフォイの館……か』
ドラコはどうしているのだろうか。彼は大丈夫なのか？ルシウス･マルフォイは、今のところアズカバンに投獄されてる。
ルシウスは、確かにあの時指揮をとっていただろう。にも関わらず、予言は聞けない挙句、大失敗して捕まり投獄されてる。
自分だけではなく、他の死喰い人達も。
こんな大失敗をした後で、マルフォイ家のドラコは、大丈夫なのだろうか？
責任を取らされてたりしてないのか？
トム｢少し、心配ってとこかな？｣
『うん、そりゃ心配だよ。彼はあれでも根はいい人だからね』
もうすぐドラコも死喰い人になるのかもしれない。その時は、私が何とかしてあげなきゃ。
そう決意をして、会合の日に向けて準備をする。
もしかしたら私は、死ぬのかもしれない。あの時、邪魔をしたのだから。きっと怒っているだろう。しかし、何かが引っかかる。
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2021年3月22日 20時
