額に傷を持つ2人~不死鳥の騎士団~終④~ハリー･ポッター (ページ21)

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「同様に遺憾ながら、アズカバンのディメンターが、魔法省に引き続き雇用されることを忌避し、一斉蜂起しました。

我々は、ディメンターが現在直接命令を受けているのは、例のなんとか卿であると見ているのであります。

魔法族の皆さんは、警戒を怠りなきように。

魔法省は現在、各家庭および個人の防衛に関する初歩的心得を作成中でありまして、一箇月のうちには、全魔法世帯に無料配布する予定であります」

例のあの人が再び身近かで画策しているというしつこい噂は、事実無根と、ついこの水曜日まで魔法省が請け合っていただけに、この発表は、魔法界を驚愕させ、困惑させることとなった。

魔法省がこのように────見解を翻すに至った経緯はいまだに霧の中だが、例のあの人とそのおもだった一味の者が

木曜の夜、魔法省そのものに侵入したのではないかと見られているのである。

アルバス・ダンブルドアは、校長として復職、国際魔法使い連盟会員資格復活、ウィゼンガモットからのコメントは、これまでのところまだ得られていないが、

この一年間、同氏は、例のあの人が死んだという大方の希望的観測を否定し、実は再び権力を握るべく仲間を集めている、と主張し続けていたのだった。

一方、生き残った子供達は────

ハー｢ほーら来た、A、ハリー。どこかで貴方達を引っ張り込むと思っていたわ｣

ハーマイオニーが私とハリーを新聞越しに見ながら、呆れたように言う。

医務室の中高い天井にそれがよく響いた。

ハリーは、ロンのベッドの端しのほうに腰掛け、私はロンの隣に立ち、腕を組んでハーマイオニーが新聞を読み上げるのを聞いていた。

マダム・ポンフリーにあっという間に踵を治してもらったジニーは、ハーマイオニーのベッドの足元に膝小僧を抱えて座り。

同じように鼻の大きさも形も元通りに治してもらったネビルは、二つのベッドの間の椅子に腰掛けていた。

そして、ザ・クィブラー誌の最新号を小脇に抱えてふらりと立ち寄ったルーナは、雑誌を逆さまにして読んでいた。

どうやら、ハーマイオニーの言葉はまったく耳に入らない様子で。

ロ｢それじゃ、Aとハリーはまた生き残った子供達になったわけだ──── もう頭の変な目立ちたがり屋じゃないってわけか｣

ロンは顔を顰めてそんなことを言う。

ロンは、ベッド脇の棚に山と積まれた蛙チョコレートから一つかみ取って、食いちぎる。