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ハ｢でも、それと────どういう関係が？｣
ハリーは、頑なにもシリウスの名前を口にしなかった。いや、口にすることができなかったのだ。
「そして、五年前」と、ダンブルドアは、話が中断されなかったかのように語り続ける。
ダ｢君達が、ホグワーツにやって来た。幸福で、丸々とした子であって欲しいという私の願いどおりの姿ではなかったかもしれぬが、それでも健康で、生きていた。
ちやほやされた王子、王女様ではなく、あのような状況の中で私が望み得るかぎりの、まともな男の子、女の子だった。そこまでは、私の計画はうまくいっていたのじゃ。
ところが……まあ、ホグワーツでの最初の年の事件のことは、君達と同様に私もよく覚えておる。
君達は、向かって来た挑戦に、見事に受けて立った。しかも、あんなに早く私が予想していたよりずっと早い時期に、君達はヴォルデモートと真正面から対決した。
君達は、また再び生き残った……そればかりではない。君達は、彼が復活して全能力を持つことを遅らせた。
君達は、立派な人として勝った。
私は……誇らしかった。口では言えないほど、君達が誇らしかった。
しかし、私のこの見事な計画には欠陥があった。
明らかな弱点じゃ。それが計画全体を台無しにしてしまうかもしれぬと、そのときすでに私にはわかっていた。
それでも、この計画を成功させることがいかに重要かを思うと、私は、その欠陥が計画を台無しにすることなど許しはせぬと、自らに言い聞かせたのじゃ。
私だけが問題を防ぐことができるのじゃから、私だけが強くあらねばならぬと。
そして、私にとって最初の試練がやって来た。君達が、ヴォルデモートとの戦いに弱り果て、医務室で横になっていたときのことじゃ｣
「先生のおっしゃっていることがわかりません」と、ハリーが言う。
ダ｢覚えておらぬか？医務室で横たわり、君達はこう尋ねた。赤ん坊だった君達をヴォルデモートは、なんで殺したかったのでしょう？とな｣
私とハリーは、重々しく頷いた。
ダ｢私は、そのときに話して聞かせるべきじゃった？｣
私は、彼の青い瞳をじっと覗き込む。何も言わない。それに何だか心臓が鐘のごとくなり始める。
ダ｢計画の欠陥が何か、まだ分からぬか？いや……わからんじゃろう。そして、君達も知っておるように、私は答えぬことに決めた。
11歳では、と私は自分に言い聞かせた。 まだ知るには早すぎるとな｣
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2021年3月15日 19時
