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ああ、もう着いたんだ。柔らかなベッドの上にダンブルドアがおろし、癒師が駆け寄る。
ダ｢また、25分後に会うのじゃ｣
柔和な笑みを浮かべて、ダンブルドアはその場から消えて、私の周りに癒師が囲んだ。
安心するように私は、目を閉じて一時的にトムが私の体から離れたのを感じた。
ゆっくりと目を閉じる。もう今は、誰かの死を心配する必要も無いんだ。
もう大丈夫なんだ。
ゆっくり、ゆっくりと眠りに落ちていく。
眠りに落ちていくところで、好きな香りが私の鼻を擽る。そこにいるの？シリウス。
｢もう────りね。……しい、────を｣
遠くなる意識の中でその声だけが私の耳に届く。
────────
数分後、目がパッと覚めて体を起こす。聖マンゴでの治療のお陰で幾らかは、体が楽になり、左目を触る。
トム｢まだ触らない方がいいよ｣
トムは誰も癒師がいないことを良いことに、記憶の姿に戻り、ベッドに座っている。
その忠告をちゃんと聞き入れて、立ち上がり、部屋の鏡の前に立ち、どうなっているのか覗く。
『治療は、どうだったの？』
鏡に映る左目に包帯を巻いている自分の姿を見つめて、トムに尋ねる。
トム｢君の瞳は、修正不可能で新しい瞳を入れていたよ｣
そうか。数日すれば、包帯は外せるだろう。
『そう…』
なんとも言えない声を出す。
ベッドに座っているトムに手を出し、彼は理解したかのように、蛇になりまた私の腕から首に巻き付く。
刻々と時計の時間が過ぎていた。もうすぐダンブルドアが来るはずだ。
それにしても、マグルの医者とは比べ物にならないほど、治療が早すぎて少し怖い。
部屋の窓から外を見つめてる。もう夜明けが近いようだった。どれだけの時間が経ったのだろう。
その数時間で仲間は傷つき、シリウスは……死んだのだ。
静寂と沈黙。ただ自分の息しか破るもののない静寂は、私にとってとても耐え難いものだった。
私の心の中が、周囲のものに投影されるのであれば、この部屋はとても暗く、外の光さへ中に入ることを許さなかったに違いない。
ベッドに座り、検知不可能拡大呪文のポーチから、シリウスの杖を取り出す。
程よい長さで、少し暗い色の中に様々な彫り物が施されて、とてつもなく綺麗な杖だ。
考えまいとしても、考えてしまうのだ。逃れようが無い。
自分のせいだ。全部、全部自分のせいなんだ。
あそこでハリーを必死に止めてれば、一緒にアンブリッチの部屋からブラック邸に行っていれば。
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2021年3月15日 19時
