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？｢ん？A上等兵？｣
『っ！』
いきなり名前を呼ばれ、肩をビクリと震わせては静かに左手を三八式歩兵銃に近づける。
僕の階級がバレたってことは、鶴見中尉の部下かなんかの可能性が高い。
？｢こんな所で何を？｣
声をかけてきた兵士の方を向きながら言い訳考える。
『それが、今日の昼、ここに来た時の忘れ物を取りに来たのであります』
？「…そうですか。」
でも、と兵士は続ける。
「A上等兵が来た方よりあっちの方が兵舎に近いですよね。どうしてですか？」
『…まだ道に慣れていなくて。』
こんなところで油を売っていたら、出先で月島軍曹に会ってしまい怪しまれる。
それよりも現在進行形で怪しまれてもいるし。
？「そうですか…。そうですよね。A上等兵が中央のスパイで報告をしに行ったわけじゃあるまいし」
その言葉にピクリと耳を動かし、心の中でしっかりと気持ちを決め、三八式歩兵銃を兵士に向ける。
『見ていましたね』
鶴見中尉に知られる前に始末するしかない。
？｢そんな身構えないでください。私は鶴見中尉にこの事を報告するつもりはありません。むしろお願いをしに来たんです｣
『ん？────願い···？』
その言葉を少し信じて、銃を少し下げる。
？「私を含め鶴見中尉の部下の中には中尉の野心についていけていない者がいます。
近々証拠を持って中央に告発したいと考えているので、その時は世話になりますと伝えて下さい」
────造反組か。
鶴見中尉に目をつけられている僕より、ある程度隙をつきやすい内部の者が探りを入れたほうがいいかのかもしれない。
それに使える駒は使っていた方がいいしな。
『分かった、上へ一応伝えておきます』
？「ありがとうございます」
『すみませんが、名前は何でしょうか？』
三八式歩兵銃を肩にもう一度かけ直しながら、その暗闇の中にいる兵士に声をかける。
？｢···玉井です｣
『あ···あ！何という御無礼を────玉井伍長殿』
すぐに帽子を取り、深く敬礼をする。額にポツポツと冷や汗が出るのが分かった。
橋本軍曹にもあれほど、敬語を忘れないように···って言われていたのに。
これじゃ橋本軍曹の面子が立たなくなってしまう。
玉｢いいえ、大丈夫です｣
少し柔らかな声に聞こえ、少し様子を見るように顔色を伺うとさほど気分を害されてないようだ。
それに便乗して今しかない！と思い口を開く。
『あの、少し聞きたいことが···』
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プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は尾形百之助オチですか？できれば尾形百之助オチでお願い出来ますか？あと尾形百之助を死なないで欲しいです。お願いします🙏続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年12月14日 5時) (
レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
霧雨 - すごく好みです！ (2020年12月12日 12時) (レス) id: edd0868c2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2020年11月22日 22時
