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私は何も声をあげることなく、トムを沈めて、アンブリッチの前に置かれた椅子に腰を下ろす。
隣には間違うはずもないハリーがただただ座っていた。
ハリーは私の方を見てた気がする。特にローブから顔を出し、アンブリッチを狙うような目をしているトムに。
目の前のアンブリッチは走り書きをやめて、顔をすぐに上げる。
アン｢ご苦労さま、アーガス｣
フィ｢とんでもない、校長。お易い御用で···｣
フィルチは、リウマチの身体が耐えられる限度まで深々とお辞儀し、後退りで部屋を出て行く。
私とハリーの顔を嫌な笑みで見ると私の肩にいるトムを見て凝視する。
アン｢"それ"はなんですの？｣
『蛇です。懐かれてしまって』
当たり障りのない言葉を並べて作り笑いを顔に広げる。
するとアンブリッチは、｢何か気がかりだ｣とでも言うように、また書き物を続けた。
私とハリーが目を合わせることなどない。
ただ横にいる。それだけが事実として存在していただけだ。
「さてと」と言って、やっと羽根ペンを置き、アンブリッジは、ことさらにうまそうな蝿を飲み込もうとするガマガエルのような顔をする。
アン｢何か飲みますか？｣
ハ｢えっ？｣
ハリーは、そんな質問が来るとは思ってなかったのか、間抜けな声を出す。
アン｢飲み物よ、Mr.ポッター────紅茶？コーヒー？かぼちゃジュース？｣
飲み物の名前を言うたびに、アンブリッジが短い杖を振ると、机の上にカップやグラスに入った飲み物が現れる。
『先生、私は何も要りません』
アン｢いいえ、ブラック。私は一緒に飲んで欲しいの。｣
途端にアンブリッチの声が危険な甘ったるさを漂わせる。
トム｢疑いも無く飲むなんてことをしない···よね？｣
トムは静かに声を沈めて言う。私はバレないようにゆっくりと頷く。
アン｢さぁどれか選びなさい。｣
｢『それでは紅茶を。』｣
ハリーと共に声を揃えて言うと、アンブリッチは大袈裟に紅茶にミルクを入れ始める。
何か入ってるに違いない。きっと飲んではいけない何かが。
それから、不吉な甘い微笑を湛え、カップを持ってせかせかと机を廻り込んでやって来る。
アン｢どうぞ｣
私はアンブリッチの手から紅茶を受け取る。危険な甘ったるさと嫌な匂いが鼻につく。
アン｢冷めないうちに飲んでね。 さーてと、2人とも、昨夜の残念な事件のあとですから、ちょっとお喋りをしたらどうかと思ったのよ｣
『先生、もう何もお話することはありません、真実は述べたので』
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おにぎり食べたい(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます！これからも楽しみにしてください！色々と考えているんです！ (2020年11月15日 19時) (
レス) id: 7bee581076 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり食べたい(プロフ) - ここさん» ありがとうございます！頑張りますね！！！！！ (2020年11月15日 19時) (レス) id: 7bee581076 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 賢者の石シリーズから読みました。夢主とハリーの関係性が好みでした。続き楽しみに待っています。 (2020年11月10日 15時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2020年11月8日 21時) (レス) id: 6a053de6f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おにぎり食べたい | 作成日時：2020年10月19日 22時
