額に傷を持つ2人~不死鳥の騎士団<起②>~《ハリー･ポッター》 (ページ50)

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ハ｢うん｣

『見れてよかったよ!』

私とハリーは目配せをしてムーディ先生にバレないように作り笑いを浮かべた

｢『あー…あのね､丁度思い出したんだけど､トランクに詰め忘れたものが…』｣

丁度よくシリウスはムーディ先生に話し掛けたから私とハリーは何を詰め忘れたか嘘をつく手間が省けた

シ｢マッド･アイ､そこに何を持ってるんだ？｣

その呼び声に答えるようにして､ムーディ先生がシリウスの方に振り向いたので私とハリーは誰にも呼び止められずに扉を抜けて階段へと上がった

私とハリーは歩きながら自分達の思いを打ち明け始めた

ハ｢なんで僕らあんなにショックを受けたのかな？A｣

『あれ？やっぱりバレてた？』

ハ｢Aにしてはバレバレな作り笑いだったよ､僕は君と一緒に赤ちゃんの頃からいるから分かるよ｣

ハリーは少しクスクスと笑ってはまたあの写真を思い出したかのように顔を歪めた

ハ｢写真の中の皆は幸せそうに…楽しそうに手を振ってた…｣

『写真の中の皆は永久に幸せそうに手を振り続ける｡待ち受ける暗い運命を知らずに＿＿＿やりきれないね』

そう言うとハリーは静かに｢うん｣と頷いた｡彼もまた普通の人とは違う運命の中にいるのだから

足を忍ばせてホールを抜けて､剥製にされた首を横切り､2人で話しながら歩いていると客間の方からすすり泣きの声が聞こえてきた

ハ｢誰？｣

しかしそれに対しての返答はなく､ただ啜り泣く声だけが客間の方に聞こえた｡ハリーは私の目をしっかり見た､それに返事をするように頷く

私達は声の主を目指して客間に行き､軋む音を聞きながら扉を開けた＿＿＿暗い壁際で誰かが杖を手にして啜り泣いていた

埃っぽい古い絨毯の上に切り取ったように月明かりが射し込んで､そこにロンが大の字に倒れ死んでいた

私は肺の空気が全て抜けたような感覚に落ちた｡何でロンが？…死喰い人が？なぜ？選択を間違ったか？

＿＿＿いや待て､ロンは下の階にいた

そう考えるとハリーは私の肩に手を起き､私を現実に戻した｡私は掠れた声で話し掛けた

『モリーおばさん？』

モリ｢リ……リ､リディクラス(バカバカしい)｣

おばさんは泣きながら､震える杖先をロンの死体に向けて言った

パチン

ロンの死体は切り替わり､ビルに切り替わった｡虚ろな目は見開かれ私とハリーとおばさんを見つめていた｡するとまたおばさんは激しくすすり泣いた

モリ｢リ……リディクラス(バカバカしい)！｣

パチン