額に傷を持つ2人~不死鳥の騎士団<起②>~《ハリー･ポッター》 (ページ1)

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『バックビークは元気なの？』

私は鼠を美味しそうに食べているバックビークを見ながら扉に寄りかかり言った

シ｢あぁ元気だ｡もう結構懐いてくれてるんだ｡鼠を用意するのは大変だけどね｣

『ねぇシリウス､ハリー達どこに行ったか知らない？朝から見てないんだ』

するとシリウスはバックビークに餌を与え終えたのか､鼠が入っていた袋を血だらけにして扉の方へと近づいてきた

シ｢君は寝坊したから知らないんだったな＿＿＿おいでA､こっちだ｣

シリウスは寝坊した私を見て､笑い出すといつものように紳士的に私の手をとってはまた歩き出した｡確かに寝坊した事は否定できない

『何かしてるの？ハリー達は』

シ｢あぁドクシー(噛みつき妖精)の退治だ､10年もここに住んでなかったからな｡またここに戻ってくるとは思わなかった｣

私を握る手を強くさせ､何とも複雑というような顔をシリウスは浮かべていた｡大体想像がつくような感じがする

シリウスはブラック家の中で唯一グリフィンドールに入った人…家族内で非難する人がいてもおかしくない｡もしかしたらお父さんも？

私は何も喋らず､シリウスが連れていくのに身を委ねているとある一室から声が聞こえてきた

モリ｢ドクシー･キラーよ｡あの屋敷下僕妖精はこの10年間何をしていたのかしら？｣

ハー｢クリーチャーは､とても歳をとってるもの｡到底手が回らなかったんだわ｣

そんな声が聞こえては私は少し笑った､きっとハーマイオニーはモリーおばさんが屋敷下僕妖精にそんなこと言って少しイラッと来たのだろう

シ｢よし！こっちみたいだな｡おいで｣

『もしかして分かってなかったの？分かってなくてブラブラと＿＿＿』

シ｢何かきっかけを作ってでもAと少しでも居たいんだ､許してくれ｣

ケラケラとシリウスは笑っては私をエスコートするようにして皆がいるであろう部屋に顔を覗かせた

シ｢ハーマイオニー､クリーチャーが本気になれば､君が驚く程色々と手が回るよ｣

すると皆一斉に私とシリウスを見ては｢まただ｣みたいな顔で笑顔になった｡ハリーはシリウスの血だらけの鼠袋を見ていた､私はするりと皆にバレないように手を離した

『バックビークに餌をやってたんだよハリー』

シ｢丁度､上のお袋の寝室で飼っているんでね｡ところで＿＿＿この文机か…｣

私は彼から離れてハリーの所に駆け寄ると反対にシリウスは鼠袋を肘掛椅子に置きガタガタと揺れている文机に身を屈めて鍵穴を調べた