ヤドリギの花かんむりを君に。 (ページ43)

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二人の落伍ページ43

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Aが迷路に入ると
そこは驚くほど静かでとても暗かった。

先程まで観衆の拍手や太鼓の音が賑やかだったのだが

聞こえるのは風の音と
おそらくハグリッドが放ったであろう、動物たちの微かな鳴き声。

Aはルーモスを唱え
そのわずかな光を頼りに先へ進んだ。

しばらく進んでも何も起きない。

いつまでも続く静寂に
不安感を掻き立てられた。

自分はどこに向かっているんだろうか。

頭が混乱しかけていたその時
高い悲鳴が聞こえた。

フラーだ。

赤い花火が上がる気配がない。

『フラー…！』

同じ女子生徒で選ばれたフラー。

助けに行かないと
怖い思いをしているかもしれない

そう思って

声のした方へと進んでいくと
黒い影と出くわした。

杖を構えると、相手も同じように杖を向けた。

『ハリー！』

ハリ「A！ああ良かった、無事だったんだね。君の悲鳴かと」

そういうとハリーは杖を下方へ向けた。

『きっとフラーよ、危険な目に合ってるかもしれない。行きましょう。』

ハリーとAが
声のした方へいくと、セドリックの声が聞こえた。

セド「何をする気なんだ」

それから、クラムの声が聞こえた。

クラ「クルーシオ」

セドリックの悲鳴が轟いた。

なんとか彼を助けないと

ハリーと夢中で走った。

その場に着くと
クラムがセドリックに馬乗りになって磔の呪いをかけていた。

『クラム！やめて、やめなさい！』

その声にクラムはこちらを向く。
正気を失ったかのような目をしていた。

Aの姿を見て、クラムの呪文が弱まった。
その隙をみて、ハリーがステューピファイを唱え、クラムは麻痺して動かなくなった。

セド「ありがとう、助かったよ…」

セドリックは息を弾ませ、体を震わせていた。

『きっと呪いよ…クラムはまともじゃなかったわ…』

クラムが横たわっている側に膝をつき

Aは赤い花火を打ち上げた。

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