4話 ページ5
Aside
A「朝から大変だね。救命は…」
初療室に入ると、みんなが私達を見る。
緋山「A」
A「ごめん。遅くなった。」
私が、来た少し後に藍沢も初療室に入って来た。
おそらく、橘先生達がコンサルを頼んだんだろう。
私は、冴島達が見ていた女性の方に行った。
藍沢は隣の患者を見ていた。
藍沢「皮髄境界が消えてる、脳幹の圧排が強い。蘇生に時間がかかり過ぎた。」
橘「…だめか。」
A「この人の状況は？」
冴島「救急隊の到着時にはすでに心肺停止。CPR反応ありません。」
A「まだ若いし、PCSは？後、瞳孔はどうですか？三井先生。」
三井「駄目…散大してる。」
A「…駄目ね…。」
私は…心臓マッサージを止めた。
橘「そっちも駄目か…」
結局、私達が救えたのは……
一人だけだった。
私は手袋をゴミ箱に捨て、
初療室をあとにしようとしたら……
橘「戻ってこないか…藍沢。」
橘先生が藍沢にそう言った。
みんなは、橘先生を見た。
橘「正直厳しいんだよ。今の救命は、白石はスタッフリーダーとして、よく回してくれている。でも人手不足は、どうしようもないからさ。Aだって、今忙しいんだろ？救命のトップである2人が来てくれたのには、本当に助かっている。」
A「……どうも……。」
橘「藤川も最近ろくに家に帰れてないだろ？フェローの教育もあるし、そこでだ。緋山が戻って来てくれた。周産期医療の勉強を中断してだ。それでもまだ戦力は足りない。タフに患者に向き合える医者じゃないとさ、ここは務まらないから…」
みんなは藍沢の答えを待った。
藍沢「すみません。救命に戻るつもりはありません。」
そう言って藍沢は、初療室を出て行った。
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作者名：AYANE | 作成日時：2023年7月27日 10時
