愛される長女、愛されない次女

３０話 ページ33

ミツバと最後に話した日





その日は大雨で、じめじめした日だった





雨に良い思い出はない





いつだって雨は





俺の大切なやつを攫って行っちまう












銀時side〜過去〜





銀｢よぉ｣



ミ｢銀さん。

雨、大丈夫でした？｣





病室では雨の音が響いていた





変わらず、顔色はあまり良くない




銀｢あぁ、大丈夫。

今日は朝から降ってるな｣



ミ｢帰りには止んでるといいですね(^^)｣




何気ない会話が心地よかった



調子は良くなさそうだったから



話すのは控え目にしようかと思っていた



でも本人は今日は人と話していたいそうで




それからは沢山話をした




昔の真選組のやつらの話




江戸の話




万事屋の話






ミ｢これ、書いてみたんです｣




そう言って封筒を3つ渡された




銀｢手紙…か｣



ミ｢えぇ。

銀さんにも書いたんですよ｣



銀｢へぇ…。今読んでも？｣



ミ｢ふふっ。だーめ。

帰ってから読んでください｣




銀｢えー？気になるのに｣




ミ｢だめですよ｣




銀｢へいへい


あとの2つは？｣




ミ｢それは、私からの依頼です｣




銀｢依頼？｣




ミ｢そーちゃんとAちゃんに


渡して欲しいんです｣




『自分で渡さないのか』なんて



言えなかった



言ってはいけない



そんな気がした






銀｢…わかった｣






ミ｢お願いします…ね｣






銀｢…ミツ、バ…？｣





ミ｢…ッ…！ｹﾞﾎｯ…ぎん、さッ…ｺﾞﾎｯ…！｣






銀｢おい…！！しっかりしろ！ミツバッ！！！｣









真っ白なシーツの上には





赤、赤、赤







赤が白をどんどん染めていった

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