自称知り合い ページ39
胸が痛い。
何故だかキュッと痛くなる。
なんで、なんで。
訳が分からず痛み続けるそれを、無視して進む。
もう帰ろう。ここに居ても病状が変になる気しかしない。
『…ゾムさん、ですか。どうなされました？』
目の前で立ち止まった男は、幹部のゾムさんだった。その男はいつにも増してフードを深く被り、殺気を殺すように瞳を隠していた。
ゾム「あんた、大先生ふったん？」
あぁ、まただ。
胸が締め付けられる。痛い、痛いなぁ。
『私がふったとしても、貴方には関係がありますか？』
ゾム「関係あるわ。大先生の知り合いやしな。…で、どうなん？」
『それは教えられません。彼だって、私が話すことを望んでいないはずですから。』
ゾム「じゃあそれはいい。なんで、大先生泣かすねん。師匠やろうが。」
泣く…？鬱が？
私はどうしたら正解だったんだ。
私は、私が思う正しい行動をしたはずだ。
ゾム「なんで黙ってんねん。なぁ？」
どんどん早口になるゾムさんに、追い討ちをかけられる。煩いな。分かってる。でも仕方ないんだよ。
こうしないと
『�爐燭世涼里蟾腓き瓩竜�方にこれ以上話す事は無意味です。…私は確かに彼の師匠ですが、彼の気持ちを最優先に考え行動するほど、愛してはいませんから。』
彼を下に見たような笑みを含めば、まんまと挑発に乗ったのか殺気を放つ瞳でこちらを睨んできた。
言い終わり横を通り過ぎると、盛大な舌打ちが聞こえたが無視を決め込む。
彼の周りには、あれだけ心配してくれる良い仲間が居る。私が彼の傍に居る必要はほぼなくなった。
良かった。先程の彼のように、心配してくれる人が居て。
『ごめんな、鬱。今まで楽しかった。』
心の中の声がそのまま出てしまったが、誰にも届かないだろうと安心し、城を出た。
ゾム「素直やないなぁ、ほんまに。」
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掛け軸(プロフ) - 嶺緒さん» 気づくのが遅くなってしまいすみません。面白いと言って貰えると、こちらとしても嬉しい限りです。コメントありがとうございました！ (2019年1月6日 14時) (
レス) id: c19dec969c (このIDを非表示/違反報告)
嶺緒(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白い作品でした…！！次回も楽しみにしています！ (2019年1月5日 17時) (レス) id: 27af552c6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：掛け軸 | 作成日時：2018年11月10日 18時
