初恋 ut ページ26
鬱「は？なんなん急に。」
ゾム「いや、気になっただけ。大先生最近めっちゃ幸せそうやったから。で、好きなん？」
鬱「別に、好きじゃないよ。」
我ながら今までで一番下手な芝居だったと思う。
枕をぎゅっと握り締め、俯き加減で放った言葉はとても小さくなってしまった。
笑われる。絶対ネタにされるわ。と思っていると予想外の発言が来た。
ゾム「へぇ、やっぱそうよな。なんか話聞いたろか？」
ベッドの横にすっと腰掛け、さも相談に乗る前提でこちらを向く。
俺にとっては意外中の意外だ。
もっと弄ったり笑ったりしてくると思ったのに…
鬱「…笑わへんの？いじったりせんの？」
ゾム「あー…いつもいじってるからか？…お前が思ってるより皆心配してんねんで。女のこと信用せえへん大先生が、本気で人の事好きになるんやったら、そんなん誰でも応援したくなるやろ。」
鬱「んーっと、あり、がとう。」
あぁやっぱり皆好きだな。
戦闘になれば話は別だけど、こうやって心配してくれたり相談に乗ってくれたり。
俺は恵まれてんねんなぁって実感する。
ゾム「あぁあ!!!!!!てか、こういう話本気ですんのむず痒いな…」
頭を乱雑に掻き、少し長い茶髪が揺れる。
鬱「確かになw」
ゾム「えっと、じゃあ早速やけど、いつから好きになったとかある？」
うっ、そっからか。
20を越えた大人が初恋の話をする程鬼畜なものは無い。ただ、こういう話があまり得意ではない彼が質問してくれてるので、答えるという選択肢しか浮かばなかった。
鬱「昔よく、助けて貰ってん。泣きじゃくってたりいじめられてたりした時に。初めは憧れとか、尊敬とかの方が強くて。でも、助けてくれる時のあの笑顔が忘れられんくなってな…そっから暫くしたくらいかな。好きなんやって気づいたんわ。」
あの時はというか、今も というべきか。
師匠はずっとずっと俺より先を走ってて、その背中を追うのが好きだったんだよなぁ。
笑って名前を呼んでくれる所とか。
尊敬という気持ちに恋愛がついてきた感じ。
ゾム「なるほどな。じゃあ初恋なん？師匠さんが」
鬱「……うん。てか多分、師匠以外に恋したことないかも」
「は！？今までで付き合ってきた子達はなんやったん！？」とゾムは驚いてるけど、今思えば、彼女に対しての気持ちを紛らわすためだったのかな。なんて冷静な頭で処理する。
ゾム「あ、じゃあさ大先生はこれからどうしたいん？師匠さんとさ」
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掛け軸(プロフ) - 嶺緒さん» 気づくのが遅くなってしまいすみません。面白いと言って貰えると、こちらとしても嬉しい限りです。コメントありがとうございました！ (2019年1月6日 14時) (
レス) id: c19dec969c (このIDを非表示/違反報告)
嶺緒(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白い作品でした…！！次回も楽しみにしています！ (2019年1月5日 17時) (レス) id: 27af552c6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：掛け軸 | 作成日時：2018年11月10日 18時
