桜のゆくえ【刀剣乱舞】 (ページ26)

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あの後、Aがいなくなったと思ってぴーぴー泣く清光と息を切らせてまで必死に探してた安定が厨房へと来たのはそれから程なくの頃。

｢うわぁぁぁA！探したんだよ！｣

｢僕達、またAがいなくなっちゃったんじゃないかって心配で、｣

抱きついてきた清光に、安定もAの袖をぎゅっと握る。

『ごめんなさい…』

今回は間違いなく自分が悪いとちょこんと頭を下げた。
人一倍互いを求め合っていた3人が、昨日の今日で、そこに確かに存在しているという証を求めるのは当然のことであろうから。Aだって起きて大好きな存在がいることに安堵したのは言うまでもなかった。

｢ううん、Aが無事だって分かればそれでいい｣

そっと撫でられた頭に感じる手はほんのり温かい。

｢…よし！じゃあそろそろ朝ご飯にしよっか！｣

ちょうど良いタイミングで光忠が手を鳴らす。
ほらほら、2人も手伝って！みんなの朝ご飯遅くなっちゃうよ、なんて今度はおたま片手に煮物をよそりながら叫んでいた。

｢了解。……はぁ…清光、そろそろAから離れたら？｣

｢やだ。もうちょっとAを感じていたいの｣

依然、腰に抱きついたままの清光にAは怒るでもなく呆れることもなくて。

清光兄さまはお味噌汁どのくらいがいいですか？とか時たま話しかけながら、後ろを見やるその姿は甘えたがりの弟をあやすお姉さんって感じで。

お前はAの兄でしょ、これじゃあどっちが大人か分からないじゃんとまた1つ安定は溜息をついた。