桜のゆくえ【刀剣乱舞】 (ページ25)

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『なんだか目が覚めちゃって……お2人は朝餉の準備ですか？』

｢うん、ここはみんなの人数が多いから支度にも時間がかかるんだ。……………そう言えば燭台切、さっきはどうしたんだい？｣

｢え？…………わああ、そうだよ！僕としてたことが忘れてたんだ!!味噌汁づくり！｣

味噌汁くらい、なんて思いそうだけどここは全振り揃ってるからか、なんせ数が多いので作る量も半端ない。
光忠はご飯の炊き具合を、歌仙は魚を焼くのであいにく手が空かない状況で。

『…あ、それなら私作りましょうか？』

これでも一通りの料理は出来ます、とおずおずAは手をあげた。

｢ほんと!?…うん、じゃあ来て早々ほんとに悪いんだけど折角だからお願いしちゃおうかなあ…｣

ごめんね、いつもならこんな失敗しないんだけど…これじゃあ格好つかないなって困り眉になった光忠が呟く。

『…？光忠さんかっこいいですよ？昨日だって出会ったばっかりの私に優しくしてくれましたし……それに皆のためにいつも動いてくれてるのかなって…』

にこにこ、笑って口元を隠して何でもないかのようにさらっと格好いいなんて口走るA。
それに対してご飯を炊く時に風を送る、あの火吹き竹を片手に、ぶわああって効果音が付きそうな位には顔を赤くして言葉を詰まらせた光忠を見ながら歌仙は1人苦笑した。

いつも、かっこよくキメたいよねと言っている刀なのに。言われると、ありがとうなんて余裕の笑みで返してるのに。

｢燭台切、彼女に言われて照れてるようじゃまだまだだよ｣

いまだ乙女のごとく顔を赤くしたままの燭台切の肩をたたくと、あはは…と乾いた笑いが返ってきたのだった。