21話 ページ22
「すぐ戻ってくるって言ってたから心配しちゃった」
『あ、もうそんなに経ってたんだ…ごめんね?』
蒼斗の手を包んでいた温もりは離れて、少しの寂しさを感じさせる。
「…ねえ、主」
安定が縁側に座ったままの蒼斗と目線を合わせるように静かに屈んだ。
「僕達、もうAのこと離さないから…Aのこと鍛刀してくれてありがとう。また会わせてくれて、ありがとう」
その声が少しだけ震えていたように聞こえたのはきっと気のせい。
清光も揃ってありがとうって呟いて微かに潤んだ瞳を見せたのも、蒼斗は月を見上げて知らないふりをした。
「これからはお前達が守ってやれよ?Aはもうこの本丸の大切な仲間なんだから。かぐや姫みたいに月に帰らせるわけにもいかねぇよな」
「え、かぐや姫?Aが可愛いのは認めるけど、いきなりどうしたの主」
「なんか詩人ぶってる主ちょっと変」
「はっ、清光はまだいいとして、安定お前……!」
4人の中から笑いがあふれる。こんなに笑ったの久しぶりなんじゃないかって程に。
「あー!もうお前らそろそろ寝ろ!美和も今日は疲れただろ」
そう言って、ぶーぶーむくれる清光と安定、未だ笑いが止まらないAの背中を押しながらも蒼斗は楽しそうに笑っていた。
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作者名:ルイス | 作成日時:2016年10月25日 0時